危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
唸り声をあげ炎を吐き出す
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
みんな我が家へと一目散
外に出ようとするものは誰もいない
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
大きな唸り声で大地を揺るがす
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
明日まで命があるものか
それは誰にもわからない
むかしむかし、どこかの国のとある街
みんながドラゴンに怯えてた
やつは街近くの森に棲み
毎年いかなる時でも街を襲ってきた
ドラゴンの気に入るものを捧げるんだ
やつは強靭で凶暴だ
殺せる者など誰もいない
ドラゴンの逆鱗に触れるようなことはするな
家に身を隠しておけ
でないとやつがお前を一口に呑み込んじまうぞ
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
唸り声をあげ炎を吐き出す
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
みんな我が家へと一目散
外に出ようとするものは誰もいない
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
大きな唸り声で大地を揺るがす
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
明日まで命があるものか
それは誰にもわからない
街一番の美貌の乙女をドラゴンが欲しがった
彼女はドラゴンに棲み処へ引き攫われ、二度と戻ってこなかった
一度だけ人身御供になるのを拒んだけれど
ドラゴンはこう言ったんだ
『街をめちゃくちゃにぶち壊してしまうぞ』
『どうか助けて
死にたくないのよ
誰か勇気のある人はいないのかしら』
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
唸り声をあげ炎を吐き出す
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
みんな我が家へと一目散
外に出ようとするものは誰もいない
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
大きな唸り声で大地を揺るがす
危ない、危ない、危ないぞ
ドラゴンがやってくる！
明日まで命があるものか
それは誰にもわからない
うら若い乙女を目にしたドラゴン
その見目の麗しさとか弱さときたら
まったく、天使が舞い降りたようだった
いきなり怯えて悲しげなそぶりを見せたドラゴンの傍に
乙女が駆け寄りくちづけると
ドラゴンの姿は掻き消えた
かわりに現れたのは若々しい一人の青年
彼はこう言ったんだ
『ぼくに掛けられた呪いが解けたのは
この乙女の愛のおかげだったんだ』
よかった、よかった
ドラゴンは死んだんだ！
宵を待たずして呪いは解けたんだ
やぁ、よかった
ドラゴンは死んだんだ！
乙女と青年は今もどこかで暮らしてるとさ