彼は夢を追いかけて行ってしまった
暁の光の中を、馬上の人となり
わたしは独り行く彼を見つめ
武勇の誉れがありますようにと願った
木にしるしを付けて日にちを数える毎日
夜が更けると、彼に帰ってきてほしい思いが
どうしようもなく湧き上がってくる
彼は兵士だ
ああ、どうか帰ってきて
彼は兵士だ
ああ、どうか帰ってきて
彼は兵士だ
お願いだから帰ってきて!
この家に独りきりなんて今のわたしには耐えられない
風の音に流れ行く時を思った
もう三度目の夏
優しかった彼のことを想いながら
ただ生きていてほしいと願う
こうして待ち続けているのはわたしだけではないはず
でも、わたしの目の前に広がる闇夜はいつになったら明けるの?
くすぶる炎から立ち上る煙が目に染みる
でもそれにすら涙を流せなくなってしまった
彼は兵士だ
ああ、どうか帰ってきて
彼は兵士だ
ああ、どうか帰ってきて
彼は兵士だ
お願いだから帰ってきて!
この家に独りきりなんて今のわたしには耐えられない
彼は戦い続ける
そう、これからもずっと…
彼はわが身に焔をたぎらせているのだから
彼は戦い続ける
そう、これからもずっと…
彼は夢を追い続けるのだから
彼は戦い続ける
そう、これからもずっと…
あの人はどこに行くのかしら?
彼は戦い続ける
そう、これからもずっと…
突き刺すような寒さも物ともせず、暁の空の下で戦い続ける
ああ、帰ってきて!
彼は兵士だ
ああ、どうか帰ってきて
彼は兵士だ
ああ、どうか帰ってきて
彼は兵士だ
お願いだから帰ってきて!
この家に独りきりなんて今のわたしには耐えられない