マタ・ハリ

彼女は王や公爵、そして兵士たちのために踊る
青灰の瞳の中に秘密をかくして
パリ中が彼女に夢中
そう、彼女は例えようもないくらいに美しかったから
男たちは誰も
(パリでは誰も)
彼女に抗うことなぞできなかった
(彼女もそう思ってた…)

おお、マタ・ハリ
きみの生を愉しみたまえ
一瞬たりとて逃さぬように
おお、マタ・ハリ
美しさと愛のもたらす幸せなんてちっぽけなものなんだから

その頃のヨーロッパは戦いの坩堝
でもマタ・ハリはそんなこと考えもしなかった
(だって、戦争は悲しみと苦痛しか残さない)
誰かがドイツ語を話そうが、フランス語を話そうが
そんなこと気にもせずに
(彼女は自身の心のみに従った)

彼女は恋人の後をついて行き
スパイの汚名を着せられた
裁判にかけられて
(味方する者は誰もいない)
彼女は涙した
(彼女は悲しんだ…)

おお、マタ・ハリ
『暁の瞳』と名乗ったきみ
おお、マタ・ハリ
その名こそがふさわしい
それはきみが一番よくわかっていた

寒い10月のある日
彼女は殺された
(けして涙を見せなかった)
伝え聞いたところでは
バラの花を手にした彼女はたいそう美しかったという
(暁の光に包まれて)
銃弾をその身に受けた彼女の顔には
微笑さえ刻まれていたという
彼女に本当に罪があったのか
(愛ゆえのことだった)
もはや誰も知ることはない
(少なくとも彼女は…)

おお、マタ・ハリ
『暁の瞳』と名乗ったきみ
おお、マタ・ハリ
その名こそがふさわしい
それはきみが一番よくわかっていた

おお、マタ・ハリ
『暁の瞳』と名乗ったきみ
おお、マタ・ハリ
その名こそがふさわしい
それはきみが一番よくわかっていた



(ドイツ語歌詞をカタカナに起こしたもの)

ズィ タンツテン フュァ フュァステン フュァ ケーニゲ ウント フュァ ゾルダーテン アウホ
ウント アイン ゲハイムニス ヴァ ヒンター デン アウゲン ヴィ ブラウアー ラウホ
ガンツ パリース ラーク イァ ツー フューセン
ズィ ヴァ シェーン ヴァ ウングラウプリヒ シェーン
ウント エス ガープ カイネン マン
(カイネン イン パリース)
デァ イァ ヴィーダーシュタント
(ウント ズィ ダハテ)

オー マタ・ハリ
ゲニーセ ダイン レーベン
フェァシェンク カイネン アウゲンブリック
オー マタ・ハリ
デン シェーンハイト ウント リーベ
ズィント オフト ヌァ アイン クルツェス グリュック

オイローパ ラーク ダーマルス イム クリーク
マタ・ハリ フェァシュタント エス ニヒト
(デン クリーク ブリンクト ライト ウント シュメァツ)
ズィ フラークテ ニヒト オプ アイナー ドイチュ
オーダー オプ エァ フランツェーズィシュ シュプリヒト
(ズィ フラークテ ヌァ イァ ヘァツ)

ズィ フォルクテ イーレム ゲリープテン
ドホ マン ハット ズィ シュピオーニン ゲナント
ウント ズィ シュタント フォァ ゲリヒト
(カイナー ハルト ツー イァ)
ミット トレーネン イム ゲズィヒト
(ウント ズィ ダハテ)

オー マタ・ハリ ダス アウゲ デス モ-ァゲンス
ゾ ハット ズィ ズィヒ ゼルプスト ゲナント
オー マタ・ハリ デン リヒティゲン ナーメン
デン ハット ヌァ ズィ ゼルプスト ゲカント

ウント アン アイネム カルテン オクトーバーターク
ヴァ エス ウム ズィ ゲシェーン
(ズィ ハット ニヒト メァ ゲヴァイント)
マン ザークト ズィ シュタント ドルト ミット ローゼン イム アルム
ウント ズィ ヴァ ゾ シェーン
(イム モーァゲンゾネンシャイン)
ウント アルス ディ シュッセ ダン フィーレン
ヴァ アイン レッヒェルン アウフ イーレム ゲズィヒト
ドホ オプ ズィ シュルディヒ ヴァ
(ズィ ハット ヌァ ゲリープト)
ヴィァト マン ニー エァファーレン
(ウント ズィ ダハテ)

オー マタ・ハリ ダス アウゲ デス モ-ァゲンス
ゾ ハット ズィ ズィヒ ゼルプスト ゲナント
オー マタ・ハリ デン リヒティゲン ナーメン
デン ハット ヌァ ズィ ゼルプスト ゲカント

オー マタ・ハリ…



もどる