(邦題)外人部隊

彼はある日、家を出ていった
広い世界を見たかったから
フランスの土を踏み、マルセイユへ
そこでひとりの男に呼びかけられて立ち止まった
『外人部隊に来るつもりはないか』と
彼は笑って、また酒を一口飲むと
『いったい何を目論んでるんだい、そんなのに加わるつもりはないよ』と言った

魂の抜け殻どもの軍隊
その兵士たちはそう呼ばれていた
契約書にひとたびサインしようものなら
もう悪魔の手にさらわれたも同然なのだ

いつのまにか金も尽き
彼はわずかなチーズとパンを盗んだ
捕まった彼に投げかけられた言葉は
『刑務所で1年間服役してもらおう』という脅し文句だった
ほうほうの体で逃げ出したが
彼はまた誰かに捕まった
そいつは笑ってこう言った
『俺に任せとけ、ここから自由にしてやるよ』

魂の抜け殻どもの軍隊
その兵士たちはそう呼ばれていた
契約書にひとたびサインしようものなら
もう悪魔の手にさらわれたも同然なのだ

魂の抜け殻どもの軍隊
彼もそのひとりとなってしまった
彼は指折り日にちを数え始めた
また家に戻ってこれることを願って

誰かの命令でこき使われる人生を送るくらいなら
死んだ方がいいと彼は思った
何度も逃げ出そうとしたけれど
ことごとくしくじった
悪魔の軍隊に加わった彼らは
その身に銃弾を浴びることでしか
楽になる道は残されていないのだ

魂の抜け殻どもの軍隊
その兵士たちはそう呼ばれていた
契約書にひとたびサインしようものなら
もう悪魔の手にさらわれたも同然なのだ

契約書にひとたびサインしようものなら
もう悪魔の手にさらわれたも同然なのだ

魂の抜け殻どもの軍隊…



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