(ヾー゙)「ギイ様は、今日も来ないのね…」
マノレグリットはあの日からぱったりと部屋に来なくなったギイを待ち続けていた。
(;^ω^)「妃殿下、もう夕方ですお。お食事を持ってまいりましたお」
(ヾー゙)「…食欲が湧かないの。折角持ってきてくれたのにごめんね」
(;^ω^)「そのような事を言わず、お召し上がりくださいお!
妃殿下、どうかご自分のご健康をもう少しお考えになって、もっとご自分を大事になさいませお!」
(ヾー゙)「…………」
マノレグリットは軽く寝返りをうってため息をついた。
(ヾー゙)「ねぇあなた、わたくしの看病はいいから、義父上と義母上のお世話に行ってあげてちょうだい」
(;^ω^)「なにをおっしゃるのですかお。僕はその妃殿下の義父上と義母上であらせられる国王陛下と王妃様から、
妃殿下の看病をするようにと厳しく仰せつかっているのですお!」
(ヾー゙)「わたくしはもう、どんな看病や治療をしたって手遅れよ。自分の体調は自分が一番よく判ってるわ」
(;^ω^)「ご冗談を!まだお若いのに、臨終のご老人のような物言いはおやめくださいお」
召使いはやせ衰えたマノレグリットの手をとった。
(;`ω´)「!」
マノレグリットの手は血が通っていないかのように冷たかった。
(;`ω´)(妃殿下はもう…)
一瞬だけ険しい表情になった召使いだったが、すぐに笑顔をつくってマノレグリットに語りかけた。
(;^ω^)「妃殿下。すぐに王太子殿下を呼んでまいりますお。確かお会いしたがってましたおね?」
(ヾー゙)「ええ…でも、あの人は呼んだって来ないわよ。あなたの大切な時間をこんなことで無駄にしちゃ駄目」
(;^ω^)「天にまします神と聖アンドリューの十字にかけて、必ず王太子殿下をお呼びしますお!」
マノレグリットの返事も聞かず、召使いは部屋のドアを開けて足早に出て行った。
(ヾー゙)「…ギイ様」
部屋に一人取り残されたマノレグリットは、何かを遮ろうとするように顔を両手で覆った。
(。つー⊂)「…ギイ様、わたしが…悪かったの?……おしえて…、ギイさ、ま…」
そのころ、マノレグリットの召使いは大慌てでギイの部屋のドアを開けていた。
(^ω^|||)「王太子殿下!」
(,,゚Д゚)「…なんだね、騒々しい…」
机に軍事計画書を広げていたギイは、面倒くさそうな面持ちで召使いのほうを見た。
(^ω^|||)「こんな状況で落ち着いていられるわけがないでしょうお!」
(,,゚Д゚)「…手短に用件を言いたまえ」
(^ω^|||)「マノレグリット姫が、危篤ですお!!!!」
(|||,,゚Д゚)「…何?」
一瞬、ギイの顔色は羊皮紙よりも真っ白になった。
召使いは突然のことに魂が抜けたようになっているギイの手を引っ張り、マノレグリットが病身を横たえている
部屋の前に彼を引き摺るように連れ出した。
(|||゙ー゙)「………………」
(^ω^|||))「妃殿下!そんな馬鹿な、先ほどまで意識がおありだったのに…」
マノレグリットの意識は既に途絶えていた。
久しぶりに見たマノレグリットは、別人のように痩せ衰えていた。そんな彼女の姿に、ギイは背筋に寒気を覚えた。
(;,,゚Д゚)つ「マノレゴ!」
ギイは彼女のすっかり細くなった手をとった。
マノレグリットは意識を失ってはいたが、傍目から見るとまるで眠っているようだった。
ギイは無意識のうちに、彼女が眠っていることに安堵している自分に気がついた。
(,,-Д-)(マノレゴの目を、見たくないんだ)
マノレグリットの手を握りながら、ギイは肩を落としてうつむいた。
(|||,, )(彼女の、わたしを責め苛むような眼差しを、見たくない…。神様、どうか彼女の目が開きませんように)
しばらくうつむいていたギイだったが、目を閉じたまま顔をあげてマノレグリットに語りかけた。
(,,-Д-)「マノレゴ、わたしのマノレグリッ……いや、マーガレット」
ギイは彼女の名を呼んだ。彼女の国の言葉で、名を呼んだ。
彼の声にマノレグリットの瞼が少しだけ動いたように見えた。
(|||゙ー゙)「………………」
だがマノレグリットの意識は戻らない。
(,,゚Д゚)「マーガレット…」
物言わぬ彼女をそっと抱きしめた後、ギイは足早にマノレグリットの部屋を立ち去った。
⊂(^ω^|||)「お、王太子殿下!姫を残して行ってしまうのですかお!?」
召使いはギイの後姿を茫然として見送るほかなかった。
(|||゙ー゙)「…………ギイ…サ…m?」
そしてマノレグリットは、次の日の明け方に息を引き取った 。