Karl von Burgund 第3幕・2場


●2場の登場人物●

アンベルクール

ユゴネー

ラーフェシュタイン






ユゴネー
「ああ、なんたること、なんたる光景だ!
 あの情に厚く敬愛を受けた殿方たちの命を静寂の奔流が飲み込んでいってしまった。」


アンベルクール
「試練が襲ったこの戦場に横たわっている者はみな、あの忠義に厚く由緒正しきブルゴーニュの軍人
 たちなのか!この地を行きつ戻りつしながら探し回っておるが、この痛ましい崩壊と略奪のありさま
 に対して悲しみに暮れる街々の一つもないとは!

 おお、いともお優しい神よ!
 公爵閣下はあちらにおわすのですね!
 なんと、たった独り取り残されてぼろぼろになった服を纏っていらっしゃる!」


(第3幕・欄外の注より)
*)1477年の聖木曜日、ガンの暴動に際してアンベルクールとユゴネーの両名が処刑された。
  マリー公女は市内の広場で髪を振り乱して悲しみに満ち満ちた様子で両名の助命を嘆願したが
  彼らの命を救うことは出来なかったのである。


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