謎の美女・レモーヌ

( Д ;)「くぁwせdrftgyふじこlp;@:!!!!!」

奇声を発しながらプリンゼンホフ最上階から落下を続けるツャルル。

(TДT;)「死ぬ!このままじゃ童貞卒業する前に墜落死する!助けてサンタ・マリア!助けてサン・ジョルジュ!」

必死で聖人にすがるも、彼の頭の中には既に走馬灯が流れ出していた。

( Д ;)「ギャアアアアアアアアアアアアアア!」


ぼ       よ       ん          っ


ツャルルの体は何か柔らかい物体にぶち当たり、そのままポーンと上に放り出された。
ツャルルは冷静に空中で2回転したあと地上に華麗に着地した。

(゚∀゚ ;)「た、助かったああ!」

ふっと上を見ると、そこには屋台が建っていた。
どうやら屋台の布張りの屋根がクッションになり、そのおかげで助かったらしい。
周りを見ると見渡す限りの屋台、屋台、屋台…

(゚∀゚*)「そうか、今日は定期市の日だったんだ」

気づくと町の人々がわらわらとツャルルの前に集まってきている。
身なりの良い謎の貴族の青年が空から落っこちてくるなんてどうみても変事です本当に(ry
ザワザワと町の人達が騒ぐなか、さっきクッション代わりにした屋台の店主と思われる人がツャルル
に話しかけてきた。

(´皿` )「貴族の若様が空から落ちてくるなんざ珍しいな」
(*゚∀゚)「って言う割には落ち着きはらっているじゃあないか」
(´皿` )「まあこの辺は殺し合いとか喧嘩も多いからな、上から人が落ちてきてもおかしくない」
(*゚∀゚)「ああ、なるほどな!」

妙に納得するツャルル。そこは果たして納得すべきところなのだろうか?

(´皿` )「それはそうと若様、珍しい動物を仕入れたんだが…」
(*゚∀゚)「珍しい動物?気になるな、ちょっと見せてくれたまえ」
(´皿` )「ペットにでもどうだい、1匹500エキュだ」

と店主は箱に入った白い猫のような動物を差し出した。それはツャルルに向かって鳴き声をあげた。

(´∀` )「オマエモナー」
(;゚∀゚)「…これはペットなのか?エサとかはどうするんだ」
(´皿` )「エサは勝手に自分で取ってきて食べるよ。『オマエモナー』が口癖だがちゃんと他の言葉も喋るから安心しな」
(*゚∀゚)「うーん、しかしペットなんて父上が許してくれるかどうか…」
(*゚∀゚)「すまんが今回は諦めるよ。また次の機会にな」
(´皿` )「そうか。そりゃ残念だ」
|゚ノ ^∀^)「じゃあそのモナーはわたくしが頂きますわ」

そこに妖しい雰囲気を纏った麗しい美女が現れ、500エキュを店主に支払った。

(´皿` )「はい、500エキュ確かに受け取った。アンタみたいな別嬪さんに飼われるたぁ、このモナーも幸せ者だな」
|゚ノ ^∀^)「うふふ、それほどでも…」
(゚∀゚*)「……………」

突然現れた美女に、ツャルルは一目で惹かれてしまった。
謎の美女にツャルルの目は釘付けである。
美女もツャルルに気づいたようだ。

|゚ノ ^∀^)「ウホッ、 い い 男 …」
Σ(゚∀゚;)「?!?!!」
|゚ノ ^∀^)「あら失礼、あんまりハンサムなのでつい…」
(゚∀゚*)「いえいえ、貴女も美しすぎるくらい美しいですよ」
|゚ノ ^∀^)「わたくし、レモーヌといいますの。貴方は?」
(゚∀゚*)(身バレしたらややこしいことになるから、偽名を使おう)
(゚∀゚*)「オレはリシャールといいます。貴女のような美しいご婦人とお知り合いになれて光栄です」
|゚ノ ^∀^)「まぁ、うまいことをおっしゃるのね」

美女…レモーヌはコロコロと笑った。
 

聞けばレモーヌは市場に食料を買いに行く途中だという。ツャルルはレモーヌの荷物を持つお手伝いをすることにした。

|゚ノ ^∀^)「えーと、ニンジンとタマネギとキャベツに茄子、林檎と梨とオレンジと…」
(゚∀゚;)「結構買うんですね~」
|゚ノ ^∀^)「月に2度くらいしか市場に行かないので纏め買いしていくんですのよ」
(゚∀゚;)「なるほど…(こんな光景を見たのは初めてだなあ。買い物ってこういうことかぁ)」

レモーヌは食材を買い終えると、家路へまっすぐ向かった。

|゚ノ ^∀^)「ムッシュー、もしよろしければわたくしのお家で休みませんこと?」
(゚∀゚*)「えっ、そんな親切にしていただいてよろしいんですか?」
|゚ノ ^∀^)「構いませんわ、わたくし、ずっと一人暮らしで寂しかったですし…」
(゚∀゚*)(恋愛フラグキター!)
|゚ノ ^∀^)「お口に合うかどうかわかりませぬが、精一杯がんばってリシャールさまにご馳走をお作りいたしますわ」

レモーヌの家はブリューヅュの町の近くの村にあった。ツャルルは荷物を背負って長い道のりを汗を垂らしつつ歩いた。

|゚ノ ^∀^)「荷物がさぞ重かったでしょうに、文句ひとつこぼさずに持ってくださって感謝いたします。
      あの大きな木が立っているところのそばがわたくしの家ですわ」

レモーヌの家に入って荷物を降ろしたツャルルがふと周りを見渡すと、家の壁という壁に 筋 肉 兄 貴 の絵姿が貼ってあった。

(゚∀゚;)「…………………」
|゚ノ ^∀^)「あ、お気になさらず。それはわたくしの 趣 味 ですわ。
      ではわたくしは食事を拵えてまいりますので、リシャールさまはそこの椅子にでもおかけになっていてくださいな」
(゚∀゚;)「………趣…味…………」
(゚∀゚;)「変わった趣味をお持ちなんだな…」

食卓の上には綺麗な色とりどりの花が活けてある。
しかし花を活けてあるその花瓶は、やはり筋肉兄貴が己が筋肉を誇示するポーズのデザインがされていた。
台所からはおいしそうなパンの焼ける匂いとスープの匂いが漂ってくる。
食卓の上には筋肉兄貴の花瓶、壁には所狭しと貼り付けられた筋肉兄貴の絵姿。

(゚∀゚;)「カ…カオスもいいところだな……」

ツャルルはぼそっと呟いた。
しばらく経って、待ちに待った夕飯が食卓に並べられた。
パンとポトフとフルーツサラダといういかにも素朴な組み合わせだったが…

(゚д゚)「ウマー!」
(゚∀゚*)「レモーヌさん、これメチャクチャおいしいですよ!今まで食べたことない味だし!」
|゚ノ *^∀^)「まあ、まさかリシャールさまにそこまで褒めていただけるなんて……ぽっ。」

レモーヌの料理はとってもウマーだったので、ツャルルはついついおかわりしてしまった。

(((*゚д゚*))「ウマママママー!」
|゚ノ ^∀^)「リシャールさま、よろしければワインなどいかが?」
(゚∀゚*)「え、いや…オレ、ワイン苦手なんですよ~」
|゚ノ ^∀^)「まあまあ、そんなこと言わず一杯だけでも…」
(゚∀゚*)「じゃあ一杯いただきます!」

差し出されたワインをぐびっと飲んだツャルルであったが…
飲んで暫くたち、ツャルルは猛烈な眠気に襲われた。

(つ∀-*)「ウーン、なんだ…眠気…が……」

なんとツャルルは食卓でそのまま眠り込んでしまった!

|゚ノ ^∀^)「………ニヤリ」

レモーヌは不敵な笑みを口元に浮かべた。


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