謎の美女・レモーヌ4

長い沈黙を始めに破ったのは、レモーヌの兄だった。

|゚ノ  -∀-)「……我ながら、怒りに任せて酷いことばかり言ってしまったなあ…」
(;゚∀゚)「いや…こっちも軽はずみに口出ししてすまなかった…」
|゚ノ  -∀-)「ボクの方がもっと罪が重いよ。
        出会い頭に君に荷物を持たせ、騙して家まで連れてきたあげく、ワインに眠り薬まで入れて…」
(;゚∀゚)「やっぱり薬だったのか」
|゚ノ  ;-∀-)「すまない…ボクは本当に狂っているんだ、この世にいてはいけない人間なんだ」
(*゚∀゚)「いや、妹のためだったんだろ…?それにあなたはオレのことをとても丁寧にもてなしてくれたし、
     市場で買ってきたばかりの食べ物をオレのために料理して、見ず知らずのオレにおいしい暖かい食事をくれたじゃないか」
|゚ノ  -∀-)「あれだって、あんたを家に連れ込むために仕組んだことだった」
(*゚∀゚)「仕組んだことにせよ、あなたがオレをもてなしてくれたのは事実だ。
      オレはあなたにすごく感謝してるよ。ありがとうな、レモーヌさんのお兄さん。」
|゚ノ  -∀-)「ボクみたいな加害者にありがとう…か。リシャールさん、あんたは本当に真っ直ぐな人なんだな」
(*゚∀゚)「周りからも、よくそうやって言われるよ」
|゚ノ  -∀-)「やっぱりそうか…じゃあお人よしのリシャールさん。あんたに頼みがあるんだが、聞いてくれるかい?」
(*゚∀゚)「頼み?なにか頼み事があるのか?」
|゚ノ  -∀-)「ああ」

そう言うとレモーヌの兄は、市場で買った白猫をツャルルに手渡した。

( ´∀` )「モニャー…」
|゚ノ  -∀-)「もうボクには、この子を育てることは出来ないから。リシャールさん、あんたに引き取ってほしいんだ」
(*゚∀゚)「ああ、わかった」

ツャルルは白猫を腕に抱えると、レモーヌに背を向けて玄関の方に歩を進めた。

|゚ノ  -∀-)「最後までごめんよ、リシャールさん。長い間引き止めて本当にすまなかった。どうか白猫のことを、よろしく…」
(*゚∀゚)「この白猫、名前はつけてあるのか?」
|゚ノ  -∀-)「…『モナー』だ」
(*゚∀゚)「…そうか」

ツャルルは玄関に立ち、くるりとレモーヌの兄のほうを振り向いた。

(*゚∀゚)「あのさ、レモーヌさんのお兄さん!『最後まで』じゃないだろ?」」
|゚ノ:::∀::)「………………」

レモーヌの兄は俯いたまま何も言わなかった。
ツャルルは悲しそうに彼を見やると、パタンと扉を閉めた。
外に出てみると、地面は見渡す限り真っ白になっていた。


(;゚∀゚)「雪が降ってたのか!どうりで寒いと思ったぜ」
((´∀`;)))「モニャニャ~…」

ツャルルの腕の中に抱えられた白猫…モナーは、寒そうにしている。

(*゚∀゚)「…モナー、オレの服の中に入るか?」
(´∀` *)「モニャー!」

モナーはツャルルの服の中に潜り込み、ツャルルの服の襟ぐりからぴょこんと顔を出した。

(´∀` *)「モニャー、モニャモニャv」
(*゚∀゚)「あったかいか?よしよし…」

モナーは喉をゴロゴロと鳴らしはじめた。

(*゚∀゚)「モナー、お前人懐っこいんだなぁ。」
(´∀` *)「オマエモニャ~」
(*゚∀゚)「お前、もうオレのことを飼い主だと思ってるのか?」
(´∀` )「モニャ~…」

モナーはすこし悲しそうな表情を浮かべ、鳴き声をあげた。
町の方に向かって歩いていくと、かすかに子供の歌声が聴こえてきた。それは「ノエル」の歌だった。

(*゚∀゚)「ああ、そうか。今日は降誕節だっけ」

ツャルルがやっとのことでプリンゼンホフに着くと、門前にブノレゴーニュ公が恐ろしい形相で仁王立ちしていた。

(;゚∀゚)「ゲッ!!」
( `・ω・´)「遅かったのう、ツャルル。三日も戻ってこなかったんだから、当然それなりの結果は出ていると見なしていいんだな?」
((((((; д ))))「~~~~~~~~~!!」

そういえばそうだった。
この少々長めの外出の本来の目的は。
それを思い出したツャルルの顔色は、漂白したワイシャツよりも真っ白になっていた…

( ;`・ω・´)「…………………」
( ´・ω・`)「ハァ…」

返事もなく顔面蒼白で立ち尽くすツャルルに、ブノレゴーニュ公はもはや掛ける言葉も見つからないと呆れ果てた様子でため息をついた。

( ´・ω・`)「まあいい。ところでツャルル、その服の襟から顔を出してる白猫はなんだね、捨て猫か?ひょっとして家で飼えということなのか?」
(;゚∀゚)「アッ!うん、そうなんだ。どうしてもって頼まれてさ」
( ´・ω・`)「そうか、人から譲られたのか。じゃあブノレゴーニュ家のしきたりに則って飼ってやろう。
        今のままでは少々みすぼらしいから、直ぐに湯で猫の体を洗うか。特注の金糸で縫い取ったルビーの首輪も作ってやらねば」
(*゚∀゚)「え?飼ってもいいの?」
( ´・ω・`)「先方がどうしても、と言ったんだろう?」
(*゚∀゚)「そうだけどさ。父上、やけにあっさりと決めちゃって」
( ´・ω・`)「どうしても、と言ってきた相手を無下に断ることができんのだ。わしも一介の騎士だからな……ん、なんだ?その疑いの眼差しは。
       何か ま だ 言いたいことがあるのか?ツャルルよ」
( ゚∀゚)「イエイエ、トンデモゴザイマセン チチウエサマ」

このときから白猫「モナー」は、ブノレゴーニュ家のペットとして飼われることになったのだった。
本来の目的は果たせなかったものの、取りあえず父親の怒りは免れたのでツャルルは心の底から安堵したのであった…

(´・ω・` )「つまりぶっつけ本番でうまくいく自信があるということだな!」
(;-∀-)「………………」

…その次の日の早朝、ブリューヅュの町の人々の間でとある事件が話題に登った。

『今日の未明、付近の村のとある家で火災が発生した。付近の住民が総出で消火に当たったが、
 火の勢いが激しかったため約2時間かかってようやく鎮火した。
 出火当時、家の中には若い男性がいたとのことだが、生死は未だ不明……』



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