その頃のドーフィネ

ドーフィネは雲ひとつない晴天であった。
しかし穏やかな風景を突き破り、もの凄い怒声が響き渡った!

(゚Д゚,,#)「ゴーーーーーーーーーーーーーーーールァァァアアアアア!!!!」

バルコーンから思いっきり叫んでいる近所迷惑なこの人こそ、王太子ギイであった。
今の怒声に慌ててやってきた召使いが、何ごとかを王太子に耳打ちしているようだ。

(;^ω^)「王太子殿下、お怒りをお収めくださいお!近所迷惑にも程がありますお!」
(#,,゚Д゚)「これだけ何もかもうまく行かない状況なんだから苛々もするわっ!
      父上はゴキブリみたいな生命力だわ、相変わらずあのバカ女が宮廷にのさばってて帰れないわ、
      あのバカ女のせいで王位継承者たるわたしは放逐状態だ!これで苛々しないほうがおかしいわぁっ!」
( ^ω^)「まぁまぁ、王太子殿下。この書簡をご覧下さいお」
(#,,゚Д゚)「ん?なんだこりゃ?」
( ^ω^)「お隣のサブォア侯からの書簡ですお。いい縁談があるとかないとか」
(#,,゚Д゚)「なに?縁談?サブォア侯からわたし宛てに?」

ギイのこめかみから青筋が消えていき、考え事をしているのか言葉が途絶えた。

( ゚д゚,,)「………………」
( ^ω^)「こっちみんな」

ボグシャァ!!

(###)ω#)
(゚Д゚,,)「…ふむ」
(゚Д゚,,)(縁談か…そんな話が来るなんて、あの時以来だな)
(゚Д゚,,)「サブォア侯か。あそこならこのドーフィネからも近いし、上手く縁戚関係を持てば将来サブォア侯領を
     フラソスの勢力範囲内にすることも可能だな…」

ギイは床に倒れている召使いを足で蹴飛ばした。

(゚Д゚,,)「おい、生きてるか?」
(###)ω#)「…はい、何とか」
(゚Д゚,,)「サブォア侯に『縁談についてkwsk』と伝えておいてくれ」
(###)ω#)「はいですお…」
(゚Д゚,,)「あ、さっき言ったことは 独 り 言 だからな。サブォア侯には『縁談kwsk』とだけ
    伝えておくのだぞ、わかったな?」

召使いはフラフラとした足取りでギイの元を離れた。
ギイはなにやら意味深な含み笑いを口もとに浮かべている。

(゚∀゚,,)「…ククク…」 

王太子ギイがサブォア侯に手紙を出した丁度その頃、フラソス宮廷内ではギイの父親のフラソス王とその愛人アニェス・ンレノレが
互いになにごとか相談しあっていた。難しい顔をしているフラソス王の肩口に細腕を廻しつつ、アニェスはいつもの底抜けに明るい
口調でフラソス王に馴れ馴れしく話しかけた。

(ゝω・)v「ねえねえ王様~☆ドーフィネに引きこもってるギイちゃん呼び戻そうよ☆(ゝω・)vキャピ」
( ^Д^)「そうだな、短期派遣のつもりだったのに王太子は帰ってくる気がないみたいだし…」
(ゝω・)v「お手紙出しちゃおうよ☆王様が強く言っちゃえばギイちゃんもすぐに帰ってくるよ☆(ゝω・)vキャピ」
( ^Д^)「うむ、アニェスちゃんの言うとおりだ!よ~しパパお手紙書いちゃうぞ~!」

フラソス王からお手紙着いた♪
王太子ったら読まずに捨てた♪

(#,,゚Д゚)「絶対にあいつのもとになんぞ帰るものかぁ!
      あのアホ親父と糞アニェスが生きているうちはフラソスには帰らん!絶対に帰らんぞ!
      だいたいアニェスに関わると昔からろくなことがなかった!」

~ここから回想~

(ゝω・)v「ギイちゃ~ん☆」
(,,゚Д゚)「…………なんです、アニェス殿」
(ゝω・)v「ギイちゃんってばアニェスちゃんにいっつも冷たいよね☆(ゝω・)vキャピ」
(,,゚Д゚)「イエ、ソンナコトハ メッソウモ ゴザイマセンヨ?」

いつもスーパーハイテンションなアニェスに、王太子は内心毒づかざるをえなかった。

(,,゚Д゚)(いつも能天気にキャピキャピうるせえんだよゴルァ!わたしはそういう輩が一番嫌いなんだ)

苛立たしげに眉間をひくつかせるギイなどお構いなしに、アニェスはさらにおしゃべりを続けた。

(ゝω・)v「ギイちゃんがアニェスちゃんに冷たい理由、当ててみようか☆」
(,,゚Д゚)「エ?」
(,,゚Д゚)(どれだけ的外れな答えを返してくるのやら…)
(ゝω・)v(ニヤリ)

アニェスはギイに気づかれないように、そっと周りを見回した。

(ゝω・)v「実はギイちゃんってアニェスちゃんのコトが好きなんでしょ☆」
(,,゚Д゚)「そんなバナナ」
(ゝω・)v「隠したってムダムダ☆も~、ギイちゃんったらヨコシマなんだから☆お父さんの恋人に横恋慕なんてありえな~い☆(ゝω・)vワオー」
(;,, д )(な、何を言ってるんだこのヴァカ女は!?)

あまりに予想外の回答に目玉ポーン口ポカーンのギイだったが、アニェスはさらに饒舌になり言葉のマシンガンを畳み掛けてくる。

(ゝω・)v「そんなヨコシマな子には天罰が下っちゃうよ☆(ゝω・)vィェィ」
(;,,゚Д゚)「て、天罰…?ちょっと待てアニェス殿」
(ゝω・)v「王様~~~~、今のお話聞いてたよね☆(ゝω・)vキャピ」
(;,,゚Д゚)「ち、父上ェ???!!!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 

なんと柱の影からフラソス王が現れた!

(^Д^ )「話は全て聞かせてもらったぞ、王太子」

ギイは目を剥いてアニェスを睨みつけた。

(;,,゚Д゚)「は、謀ったなアニェス!!!」
(ゝω・)v「え~~~?何のことだかアニェスちゃんサッパリ☆(ゝω・)vキャピ」
(^Д^ )「私の大のお気に入りのアニェスちゃんに手を出そうとするとは…」
(;,,゚Д゚)「ちょっと待ってください国王陛下、わたしは彼女の言ったことを肯定するようなことは
     な~んにも言ってませんよ?!むしろ否定してますけどっ!!!」
(^Д^#)「聞く耳もた~~~~~ん!!!!!!!」
(;,,゚Д(#)「ひでぶ!!」
(ゝω・)v(これでギイちゃんと王様の仲はますます悪くなったね☆(ゝω・)vキャピ)

~回想ここまで~

(,,゚Д゚)「本当にろくなことがなかったッ!思い出したくもないのに思い出してしまったな、忌々しい!」

と、そのときサブォアに派遣した召使いがギイのもとに現れた。

(゚Д゚,,)「ご苦労だったな」
( ^ω^)つ□「王太子殿下、サブォア侯女の肖像画を持って帰ってきましたお」
(゚Д゚,,)「うむ。見せてもらおうか」

綺麗に飾り付けられた額縁のなかに、幼さを色濃く残した愛らしい女の子がいた…

(゚Д゚,,)「この子は幾つなんだね?」
( ^ω^)「サブォア侯女ガナロット姫はまだ6つだお」
(゚д゚,,)(……チッ、使いものになりそうなのはまだ先か…まあ構わん)
(゚Д゚,,)「よっし、とりあえずサブォア侯のところに行って『ガナロットと結婚したいんだが』と伝えてきたまえ」
( ;^ω^)「ちょwwwwwwwwww決めるの早すぎwwwwww」



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