それぞれのマリッジブルー(ツャルル編)

( ´・ω・`)「で、ツャルル…少し聞きたいことがあるんだが」
(゚∀゚*)「なに勿体ぶってんだよ」
( ´・ω・`)「じゃあ聞くが、ぃざべる侯女と何か 進 展 はあったのか?」
(゚∀゚*)「即興で詩を作って歌ってみたんだけど、恥ずかしいからやめてってプニられた」
( ´・ω・`)「二人そろって変なところで奥手なんだな…」
(゚∀゚#)「変って言うな!一言余計なんだよ!」

声を荒げるツャルルを横目にブノレゴーニュ侯は眉間にしわを寄せている。

( ´・ω・`)「しかしなあ…このまま本番を迎えるのかと思うともう頭が痛くてかなわん」
( ´・ω・`)「指南書を渡してあるはずだが、お前はきっと最初のページすら開いてはおるまい」
Σ(゚∀゚;)「ギクッ」
( ´・ω・`)「せっかく豪華装丁のオールカラー仕様なのに、勿体無い」
(゚∀゚;)「……………」
( ´・ω・`)「まあお前が読みたくないというのならいいが…当日恥ずかしい思いをするのは自分だぞ?」
(゚∀゚;)「……………」
( ´・ω・`)「とにかく当日は 期 待 しておるからな。うまくやるんだぞ」

そう言うとブノレゴーニュ公は大股でのそのそと廊下を歩いていった。

(゚∀゚;)「……読まなくちゃいけないのか?なんかロクなことが書いてなさそうだけど」
(((;゚∀゚)「…確か、部屋の本棚に積みっぱなしだったな…」

ツャルルは足早に部屋に戻ると、自分の本棚を漁り始めた。

□⊂(゚∀゚;)「あったあった!しっかし、なんつー悪趣味な装丁だ」

表紙は妙齢の女性が肩口をはだけさせて白く豊かな乳房を露にしている、いかにもそっち系の本ですよというような細密画だった。

(゚∀゚;)「いや、でも指南書だし…中身はマトモなんだろうな」

ツャルルは本の表紙をパラリとめくった。



~そして数刻が過ぎた頃~

( ´・ω・`)「ふぅ、やっと書類が片付いたぞ。ちょっと外の空気でも吸ってくるか」


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(´・ω・`; )「うん?何の音だ?」


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バキイイイィィィイイイイ!!!!

もの凄い勢いでブノレゴーニュ公の部屋の入口が蹴破られた!
濛々と立ち上る煙と埃の中から現れたのは…

(#゚∀゚)つ=lニニフ「貴様ァァァアアアア!!!!」
(´・ω・`; )「何だ何だ騒々しい…」
(#゚∀゚)「この本で初夜の参考になるページが最初の3ページだけとはどういうことだああ!」
(´・ω・` )「全部読めたのか、おお偉い偉い」
(*゚∀゚)ゝ「えへ、それほどでも」

父親のお褒めの言葉に一瞬得意げな表情をしたツャルルであったが、そんなものにはぐらかされる年ではない。

(#゚∀゚)「ってそうじゃねえだろ!おい、この本不良品じゃねえかよ!」
(´・ω・` )「乱丁落丁は出版社に問い合わせるように」
(´・ω・` )「…内容も別に不良品と言えるものではないと思ったが…」
(#゚∀゚)「し、初夜を、こ、こ、こんな体位でできるわきゃねぇーだろ!!」

羞恥と怒りをごちゃ混ぜに顔を真っ赤にして喚くツャルルに対して、ブノレゴーニュ公はやれやれと言わんばかりの態度で諭した。

(´・ω・` )「なんだ、そんなことか!心配するな。きちんとできるように事細かにやり方を書いてあるだろう」
(#゚∀゚)「問題はそこじゃねーんだよ!」
(´・ω・` )「大丈夫、初心者のための攻略本だよ。」
(#゚∀゚)「十二分にマニアックだろうが!」
(´・ω・` )「全くこの程度でマニアックとは情けない…」
(#゚∀゚)「てめえにとってはな!このド変態野郎!」
(´・ω・` )「…それ以上言ったら ぶ ち 殺 す ぞ …」
(#゚∀゚)「国家機密モンの変態野郎が何をぬかすかあぁ!!!」
(´・ω・`#)「…………マヒャド」

ブノレゴーニュ公が何やら唱えた途端、恐ろしい冷気と氷の刃がツャルルに向かって降り注いだ!

(;゚∀゚)「ギャアアアアアアアア!!」

ツャルルは一瞬にして氷漬けになった!

( ´・ω・`)「ハァ…毎度ながら頭の悪いやつだ、先が思いやられる!まぁとりあえず外に干しておくかの」

さて、外は快晴。太陽の光がさんさんと降り注ぎ、青空には雲ひとつない。まさに五月晴れといったところだ。

( ・ω・)「珍しく晴れたわねぇ、リスボソの陽気を思い出すわ」

ブノレゴーニュ公妃が鼻歌混じりに中庭を散歩していると、何か人間のようなものが氷漬けになっている奇妙なオブジェに出くわした。

(;・ω・)「?!」

…よ~く見ると、氷の中に閉じ込められているのは我が愛息ツャルルではないか!

(;゚ω゚)「ツ、ツツツ…ツャルル~~~~~~~!!!!」

ブノレゴーニュ公妃は狂ったように泣き叫び、甲高い声をあげて召使いたちを呼ばわった。

(;^ω^);^ω^);^ω^)「こ、これは…」
(;゚ω゚)「わ、わわわわたくしのツャルルちゃんがあああ!!!!」
(;^ω^);^ω^);^ω^)「と、とにかく、何か方法を見つけて助けださなくてはいけないお」
(;゚ω゚)「ツャルルちゃん、ツャルルちゃんーーーーー!!」
( ´・ω・`)「これまた何だね、騒々しい…」

阿鼻叫喚と化している現場にブノレゴーニュ公が悠々と歩いてきた。

(゚ω゚;)「まぁ、あなたっ!!よくこの状況でそんなのんびりとしていられるわねっ!!」
( ´・ω・`)「なに、心配はいらない」
(゚ω゚;)「エェ?!」
( ´・ω・`)「この陽気なら6時間もあれば溶けるだろうし」
(゚ω゚;)「……………」
( ´・ω・`)「わしが言うんだから間違いない」
(・ω・#)「……あ・な・た…?」

ブノレゴーニュ公妃の顔が見る見るうちに般若のごとく歪んでいく…

(;´・ω・`)「ど、どどどうしたのだ…」
(・ω・#)「下手人はあなたね」
(;´・ω・`)「なにっ?!し、証拠などどこにもないではないかっ!全く疑り深いやつはこれだから…」
(・ω・#)「おおかたまた下らないことで喧嘩して妙な魔術でも使ったんでしょー!!」
(;´・ω・`)「く、下らんとはなんだっ!元々ツャルルがわしのことをド変態などと言うから教育的指導でなあ…アッ!!!」

うっかり口を滑らせたブノレゴーニュ公は口もとに手をあてたが、時既に遅し。
ブノレゴーニュ公妃は鬼女の形相でブノレゴーニュ公をなじりだした!

(・ω・#)「自分の八つ当たりを棚に上げて何が教育的指導ですって?!そんなものしつけでもなんでもないわよ!虐待だわ!!
      だいたいあなたがド変態だなんて周知の事実じゃないの!!」
(;´・ω・`)「なにーっ?!」
(・ω・#)「ああ、ド変態の暴力虐待男だってわかってたらあなたとなんて結婚しなかったのに!」
(;´・ω・`)「アワワワワ」
(・ω・#)「この人でなしの屑男!す・ぐ・に!!ツャルルを助けてあげなさい!!助けてあげなかったら離婚よ!」
(;´・ω・`)「は、はははぃいぃいい!!」
(;^ω^);^ω^);^ω^)「も、ものすごい剣幕だお…」

ブノレゴーニュ公はすっかり怖気づいて、ツャルルの閉じ込められている氷を溶かしにかかった。

( ´・ω・`)「…メラミ」

大きな火の玉が氷漬けのツャルルに襲い掛かる!

(゚∀゚*)「プハー、やっと出られた!」
(;・ω・)「ツ、ツャルルちゃん、大丈夫だった?冷たくて寒くて苦しかったでしょう?!」
(゚∀゚*)「大丈夫だよママン、オレって体だけは丈夫にできてるから」
(;^ω^);^ω^);^ω^)(マ、ママン…?!)
(;・ω・)「大丈夫なのね?本っ当に大丈夫なのね?聖アンドレに誓える?」
(゚∀゚*)「心配しなくってもいいって、聖アンドレに誓って大丈夫」
(;・ω・)「ああ…よかった…」

ブノレゴーニュ公妃は緊張の糸が切れたのか、その場にへたり込んだ。

( ´・ω・`)「だから心配はいらんと言っただろうが」
(#・ω・)#゚∀゚)「お前が言うなぁぁぁぁあ!!」



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