ギイとマノレグリットと謎の子供

数ヶ月が経ち、華やかなお供を連れてヌコットラソドからマノレグリットがやってきた。
マノレグリットはまさに天使か妖精かといった風情の美少女で、彼女に会った人はみな心洗われるような
気分を味わった。あのフラソス王でさえマノレグリットの前では穏やかな紳士となったほどである。

( ゚ー゚)「貴方がわたくしの旦那さまなのですね。これからよろしくお願いします」
(゚Д゚,,)「…ああ、よろしく」

マノレグリットは戦争続きで病んでいたフラソス宮廷を吹きぬける五月のそよ風のように、人々の心を
開かせて明るくしていた。詩作が好きな彼女はたびたび外に出て小川の岸辺に座り、自作の詩を吟じた。

( ゚ー゚)「ギイ様。詩や楽器はおやりになりますか?」
(゚Д゚,,)「ん?ああ、そういうのはちょっと好かんのでな。召使いたちと楽しんできたまえ」
( ゚ー゚)「…はい」

ギイのどこかで一線を引いたよそよそしい態度を、繊細なマノレグリットは本能的に察していたらしい。

( ゚ー゚)「ギイ様、怖い…」

一緒に生活するようになってからしばらくして、彼女はギイに怯えた様子でポツリと言ったのだ。

Σ(゚Д゚,,;)「え?」

マノレグリットの言葉に、ギイは動揺を隠せなかった。

(゚Д゚,,;)「…怖いとは心外だな。どこが怖いのか具体的に言ってくれ」
(;゚ー゚)「ごっ、ごめんなさい!具体的にどこがということではなくって…なんとなく、貴方が怖いの」
(゚Д゚,,;))「……なんとなく?」

肩を震わせてマノレゴの部屋を出たギイは、気分転換に庭を散策していた。しかし先ほどから気分はなかなか晴れない。

(゚Д゚,,;)(結婚の話を聞いた時から、あの女は愛さないと決めていたじゃないか)

自問するギイの目の前に、天上からいきなりまぶしい光が差し込んできた。

(>Д<,,)「うおっまぶしっ!」

30000ルクスはあろうかというその光り輝くエネルギー体はギイの目の前で人らしき形をとっていく。

;;:::・Д・)『…久しぶりだね』
Σ(゚Д゚,,;)「またおまえか!」
(,,・Д・)『人から拒絶されるってどんな気持ち?きみは同じ事をマノレグリットにもしてるんだよ?』
(゚Д゚,,;)「っ…いちいちうるさい奴だな、こうなることは想定の範囲内だ!」
(,,・Д・)『とか何とか言って、きみの心はすごく揺らいでるじゃない』
(゚Д゚,,)「揺らいでなどいない。わたしの心は超耐震建築構造なのだ」
(,,・Д・)『嘘だね』
(゚Д゚,,;)「なっ!?嘘なんて…」

謎の子供は、焦りを見せたギイの肩をぽんと叩いた。

(,,・Д・)『無理するのはおやめ』
(゚Д゚,,#)「無理などしていない。だいたいそうやって偉そうに言うおまえはいったい何者だ」
(,,・Д・)『まだ、判らないんだね。ぼくは自分から名乗る事はできないよ』
(゚Д゚,,#)「いちいち勿体ぶった言い方をするな!男ならスパッと名乗りをあげんか!」
(,,・Д・)『だって、きみは「ぼく」が誰なのか、心の奥底で判っているはずでしょ』
(゚Д゚,,;)「なにぃ?」
(,,・Д・)『きみは「恐れている」から判らないふりをしているんだよ』
(゚Д゚,,;)「恐れているだと?判らないふりだと…?」

その子供は、光のもやに姿を変え、やがて周りの大気に混ざり合うように消えてしまった

(゚Д゚,,;)「また消えた!一体あいつはなんなんだ?」



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