それからしばらく、おかしな子供が去り際に残した台詞がギイの頭の中でぐるぐると巡り続けていた。
(゚Д゚,,)(わたしに恐れるものなどないぞ!…フラソスの王太子として生まれたこの身に恐れるものなんて…)
部屋の中をうろうろしていたギイは、はたと何か思い当たったように立ち止まった。
(-Д-,,;)(……前言撤回だ。妙によそよそしい父上がいたじゃないか)
フラソス王は実の息子であるギイに対しても常に一線を引いた態度で接してきていた。
現にフラソス王は、ギイが幼いときを除いて…彼のことを『王太子』とだけ呼び、口調も他人行儀に済ませていた。
(゚Д゚,,)(あちらが『王太子』と呼ぶものだから、会うときはどうも畏まってしまうんだよな…。
なんで父上はわたしによそよそしいんだろう?)
ギイは窓を開けた。外の風景は殺伐としていて空はどんよりと曇り、生ぬるい風が吹き込んでくる。
(-Д-,,)(うーん。考えてみたら、父上はわたしだけじゃなく他のみんなにもよそよそしいぞ。
イソグラソドとの長い戦で疲れて苛々してるせいなのかな…)
(゚Д゚,,)(そうだ!戦でなにか手柄を立てれば、父上は苛々しなくなるんじゃないか?
わたしのことを褒めて、信頼してくれるようになるかも!)
ある日の夜、わずかな自軍を引き連れたギイはそっと城を出た。
小さな軍隊はイソグラソドの占領下にある城塞シャトー・ラソドソに向けてひたすら夜の濃い闇を駆け抜けていく。
そしてシャトー・ラソドソの近くの繁みに身を潜めると、ギイは兵士たちに大砲での攻撃を命じた。
(,,゚Д゚)「よし、みんな準備はいいな?」
( ^ω^)^ω^)^ω^)「Ouiだお!」
(,,゚Д゚)「3,2,1……」
( ^ω^)^ω^)^ω^)「撃ーーーーーーーーっ!!」
お ん ! !
ち ゅ ど お
ど ぉぉ お
ど ぉ ぉ お
夜の帳も明けきらぬうちに突如響き渡った轟音に、シャトー・ラソドソ内のイソグラソド兵は大恐慌に陥った。
Σ(^ω^英;(^ω^英;(^ω^英;)「ななな、何の音だおおぉっ?!」
(;英^ω^)「て、敵襲だお!!奇襲だおー!」
(^ω^英;(^ω^英;(^ω^英;)「はぁっ?敵?!フラソス軍がここまで来てるなんて聞いてないお!」
(;英^ω^)「とにかく軍備を整えっ…」
ド ス ッ
((;英^ω^)「ぐふっ!!」
短く呻いてくずおれたイソグラソド兵の後ろから、ギイ率いるフラソス兵たちが一斉に姿を現した。
(#,,゚Д゚)つ=lニニフ「堂々と兵を率いて来たら奇襲とは言わんぞ、アソグロ人ども!」
(^ω^英;(^ω^英;(^ω^英; )「ミギャアアアア!!」
( ^ω^)^ω^)^ω^)「イソグラソド人め、覚悟するお!」
(,,゚Д゚)「敵は平常心を失っている!多少の兵力差など問題ない!恐れずかかれー!」
( ^ω^)^ω^)^ω^)「Mais oui!だお!!」
白刃をぎらつかせて踊りかかるフラソス兵を前に、イソグラソド兵は腰を抜かしてへなへなとへたりこんだ。
(^ω^英;(^ω^英;(^ω^英;)「ひぃーっ!!命だけはお助けくださいおっ」
(,,゚Д゚)「散々こちらを痛めつけておいていまさら命乞いか?」
( ^ω^)^ω^)^ω^)「地獄でリュシフェと一緒に苦しんでこいお」
(^ω^英;(^ω^英;(^ω^英;)「ルシファーと一緒!嫌だお、天国に行きたいお!」
(,,゚Д゚)「ほ~ぉ。フラソスの人民をボロボロにしたくせに、天国に行きたいとは随分虫のいい奴らだ」
(^ω^英|||(^ω^英|||(^ω^英|||)「あうあう…」
イソグラソド兵は全員絶望に打ちひしがれ、顔色が真っ青になっていた。
( ^ω^)^ω^)^ω^)「ま、同じキリヌト教徒のよしみ。神様にお祈りする時間くらいはやるお」
(,,゚Д゚)つ=lニニフ「さて。最期に言いたい事はあるかね」
(^ω^英|||(^ω^英|||(^ω^英|||)「……お母さんに、会いたいお…」
( ^ω^)^ω^)^ω^)「ちょwwお母さんwwwテラナサケナスwwwwwww」
(,,゚Д゚)つ=lニニフ「…兵士のくせになんと女々しいやつらだ!」
眉をひそめてそう吐き捨てたギイは、部下たちに手をあげて合図した。
断末魔の悲鳴があたりに響く。
動かなくなったイソグラソド兵と血まみれのフラソス兵とギイの姿を、月明かりが照らし出していた。
こうしてシャトー・ラソドソのイソグランド兵は壊滅し、フラソスの手に取り戻されたのであった。
ページをめくる