ある日、マノレグリットは城内にたむろするフラソス王の家臣たちの中に珍しく割って入っていった。
('A`)「これはこれは王太子妃殿下、ご機嫌麗しゅうござる」
( ゚ー゚)「御機嫌よう、ツ゛ャメ・ド・ティエーさん。貴方は確か、お義父さまの部下の方だったわね」
('A`)「おお、覚えていただいておりましたとは、光栄なことでございます」
( ゚ー゚)「あの、ちょっとお伺いしたいことがあるんですが…最近わたくしに対して悪い噂が広がっているそうで…」
ヅャメはなんのことかと言いたげな面持ちをしてマノレグリットを見ている。
('A`)「…は?」
( ゚ー゚)「その噂を流しているのが、どうやら貴方らしいということを聞いたのです」
('A`;)「なんと!王太子妃ともあろうお方が、そのような言われなきことを信じなさるとは。
それは、それがしの名誉に傷を付けようとのお心づもりですかな?」
(;゚ー゚)「い、いえ…そういうわけでは……」
('A`#)「ではおおかた妃殿下の詩会に集まる浮付いた貴族どもの世迷言でござろう。
まったく、そんな根も葉もない噂を真に受けなさるとは…
ご忠告しておきますが、そういった者どもからは早々に手を切るのが得策でございますぞ」
(;゚ー゚)「ア…」
ヅャメの剣幕にマノレグリットはうろたえた。
('A`#)「全く、周りの人々の口車に乗せられて罪なき者を責めるなど、王太子妃にあるまじき行為にあらせられる!
妃殿下もそういった連中とつるむからお心が浮付いてしまわれるのです!」
(|||゚ー゚)「………………」
('A`)「妃殿下、あのようなお遊びは即刻お取りやめなさったほうがよろしゅうございます」
(||| )「………………」
顔を俯かせて押し黙っているマノレグリットに、ヅャメは眉間にしわを寄せながら諭した。
('A`)「おわかりでございますな、妃殿下?それがしは妃殿下の御身を心配しておるのですぞ」
(||| )「…………ハイ……」
('A`)「聞こえ申さぬぞ、大きな声で仰っていただきたい!!」
(||| )「はい………」
ある日珍しくギイの部屋に入ってきたマノレグリットは、ギイの姿を認めるとそっと呼びかけた。
( ゚ー゚)「あの、ギイ様」
(゚Д゚,,)「うん?」
( 。。)「国王陛下に仕えている貴族の、ツ゛ャメ・ド・ティエーという方をご存知?」
(゚Д゚,,)「ああ、ブノレターニュ人の武官だったっけ?」
( 。。)「その方が、わたくしが毎度開いている詩会を……取りやめろと、おっしゃるのよ」
マノレグリットの話を聞いたギイは、渋い顔をして大きくため息をついた。
(-Д-,,;)「……どうしてそういうことをわたしに相談しようと思うのかわからんな。
それはあくまできみの個人的な問題だ、わたしにはどうすることもできん」
( ゚ー゚)「……………」
(-Д-,,;)「それにそいつは父上に仕える貴族なんだから、父上に相談してみたらどうだね。
少なくともわたしよりは、きみが仲良くしている父上に言ったほうがいいと思うぞ」
マノレグリットはそれまで頻繁に行っていた詩会の回数を減らすことにした。
しかしヅャメのマノレグリットに対する諫言はいっこうに減る様子がない。
('A`)「妃殿下、まだあのような輩と仲良しごっこをなさっているのですか?
それがしはおやめするようご忠告しておいたはず。ならばこちらにも手段はございますぞ」
(||| )「………………」
(||| )(わたくしは…お友達と趣味の詩を楽しむことをやめなくてはいけないの?
わたくしの好きなことを、どうしてあの男に止められねばならないの…?)
ヅャメの諫言と時を同じくして、悪い噂がどんどん宮廷を侵食していった。
(^ω^;)「あのツ゛ャメという奴、妃殿下に対してあらぬ噂を流しているようですお!
詩会と偽って他の貴族たちと浮気しているだの、王太子殿下をお嫌いだから殿下の子供を産むことをいやがっているとか…」
(||| )「そう…」
(^ω^;)「ひ、妃殿下…」
(||| )「もういいの。そういう話はこれからしないでくれる?」
(^ω^;)「は…はいですお」
ある日マノレグリットは、自分に対する噂のことをギイに話してみた。しかしギイの反応はいかにも他人事なものだった。
(゚Д゚,,)「きみの個人的な問題に、どうしてわたしが土足で踏み込めるんだ?
まあ、もしわたしがきみの立場だったとしたら…そのツ゛ャメという男を捕まえてふんじばってやる。
しかし分からんな。なんでこんな噂をされて、きみは口を閉ざしていられるんだ?黙っていても事は解決しないぞ」
(||| )「………………」
またある日には、マノレグリットはフラソス王に悩み事を打ち明けた。
(;^Д^)「むむ、ツ゛ャメ…か…、あの男にはこちらも色々世話になっているから、そう強くは注意できんなあ。すまない、マノレグリット姫」
(||| )「………………」
ヅャメがマノレグリットを諌める口調には、やがて怒りがこもるようになってきた。
('A`)「それがしがいつ妃殿下の名誉を傷つけるような発言をしたというのです?
またあのなよなよしたお取り巻き連中から、あることないこと吹き込まれてきたのですな!
…これだけは言っておきましょう。それがしは、それがしの見た真実を思ったとおりに述べただけでござる。
妃殿下の御身を考えて、発言したのですぞ。どうかお間違えのなきよう!」
(||| )(あの男はわたくしを追い詰めていくばかり…もう限界だわ。わたくし…、耐えられない…)
マノレグリットは体調を崩し、寝込む日が多くなっていった。
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