きみはここでバラのように美しく(ry

クサいんです…このシーン。ホントにギップルが出てきそうなくらいクサいんですよ。
多分The Spider Kingの作中でも『史実でこれはないだろベスト5』にランクインしますよ?
史実のルイはこんなこと絶対言わないだろうとかマーガレットといい雰囲気すぎるだろうとか、そもそも
この作者(ローレンス氏)は絶対このシーンをノリノリで書いているとしか思えません。

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(゚Д゚,, )『国王陛下は「おまえにあるのは人殺しの才能くらいだな」とおっしゃられた。
     なぁマーガレット、わたしのために筆をとってくれないか。
     神様にこのたびの戦で亡くなったフランスの兵士たちのための赦しを請う詩を書いてほしいんだ』

マーガレットはルイにそっと耳打ちした。

(゚ー゚ )『ルイ様、それはあの街々のことかしら』

それからルイにしがみついた。

(゚ー゚ )『あなたはコルマールとシュトラースブルクの猛攻を食い止めたんでしょう?』

暗い面持ちになったマーガレットは、本を読みながら談笑する侍女…コルマールやシュトラースブルクになど
行ったこともないような人たち…のところにいまにも駆け寄って、王太子のために赦しの詩を書こうとしていた。
そんなマーガレットの頬をルイは軽く撫ぜて、

(゚Д゚,, )『きみはここでバラのように美しくいてくれればいいんだ、マーガレット。わたしがまた戻ってくるまでね』

(゚ー゚ )『ええ、あなたが必ず戻ると約束してくださるのなら』

(゚Д゚,, )『戻るよ、必ずね。ところでスコットランドの姫君はドイツの街のシュトラースブルクを、フランス語でなんと言うか知ってるかい?』

話をそらしたのだった。

(゚ー゚ )『ドイツ語ではシュトラースブルクだけど…』

マーガレットは自信ありげに答えた。

(゚ー゚ )『ストラスブールともいうでしょう?そう、フランスの街よ。素敵な響きだわ』

彼女の声には愛おしげな調子が含まれていた。   
ルイはそんなマーガレットにさよならのキスをした。彼はとても嬉しそうな様子だった。
スコットランドの姫君はきっと素晴らしいフランスの王妃となることだろう…。
(The Spider King・2章17節から)

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ドイツ語…Straßburg(シュトラースブルク)・フランス語…Strasbourg(ストラスブール)
ドイツ語…Kolmar・フランス語…Colmar(どちらもコルマール)


どちらもアルザス地方の街で、このアルザスというのがちょうどドイツとフランスの国境地帯にあたります。
ドイツ語だとエルザス。ロレーヌ地方…ドイツ語だとロートリンゲン…とともに歴史上ドイツ(神聖ローマ帝国領)
になったりブルゴーニュ公国領になったりフランス王国領になったりと非常に忙しい地域です。

作中ではマーガレットが思いっきり『ストラスブールはフランスの領地』とかのたまってますが。
しかも作中でのルイ王太子(ルイ11世)はとにかくライン川に異様なこだわりを見せていて、ことあるごとに
ライン川以東、要するにブルゴーニュ公国領とか神聖ローマ帝国領あたりに攻め込もうと画策しております。

マーガレットとバカップルやったりシャルロットとほのぼの夫婦漫才をやってる合間に、虎視眈々と東を狙って
いやがるわけです、この将来メタボハゲになる予定のメロン頭野郎は。全く油断も隙もありませんね!
このThe Spider Kingはなんといってもルイが主人公だから、当然ながらヒーロー補正が掛かりまくってます。
作中のルイはまさにスーパーヒーローキングです。もうチートレベルの超人っぷりを見せ付けてくださいます。
欠点といったら奥さんとのろけすぎるところとか顔と鳩胸くらいしかないんじゃないかと。

それに比べてシャルル突進公は……。
いいところもないでもないけど、欠点のほうが明らかに多いんだよ…鼻につく人物造形してんだよ…。
そもそも、ローレンス氏がルイ(フランス側)以外の登場人物を明らかに微妙に貶めてるっていうか…。
なんか割を食わされまくってるというか。
特にブルゴーニュ側にその傾向が著しいんだよね!

フィリップ善良公も晩年の描写は結構おざなりです。ぶっちゃけただのボケ老人扱いです。
シャルル突進公に至ってはなんか漫画でよくあるムカつくライバルみたいなキャラクターな上に、死に様に
至ってはわずか5行で済まされてます。おいコラ、ふざけんなローレンス!!
ブルゴーニュがそんなに嫌いか!!!嫌いなのか!1!!!



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