さて、夫のルイ12世からこれまでの結婚生活全てを否定する発言を法廷で受けたジャンヌ王妃は涙を流して叫んだ。
( ´;ω;`)「結婚してから20年も経って、今更関係はなかったと言い張るなんて!これは明らかに嘘ですわ、ねえ皆さん!」
(^ω^裁; )「うーむ、意見が真逆だお…判決がつけられないお」
ヽ| ・∀・|ノ「お待ちください皆様、ここに一気に判決をつけられる秘密兵器がございます」
Σ(´;ω;(^ω^裁; )「!?」
ジャンヌ王妃は取り乱した様子で、裁判官は目を丸くして国王ルイ12世を見た。
ヽ| ・∀・|ノ「チャラララララ~♪チャラララララ~ンラ~ン♪」
ルイ12世は手品をする時流れるあの曲を口ずさみながら、懐から真新しい羊皮紙を取り出した。
ヽ| ・∀・|ノ□「これが何だかわかるかな~?」
(^ω^裁; )「…な、何だお?」
(´;ω;`|||)「あれは…っ!!」
ルイ12世の持っている紙を見たジャンヌ王妃の顔から、みるみる血の気が失せていく。
□ヽ| ・∀・|ノ「見てのとおり種も仕掛けもございませ~ん♪しかし、この何の変哲もない羊皮紙は…
なんと!離婚を成立させることができる魔法の羊皮紙なんだな~♪」
(^ω^裁# )「ごたくはいいからさっさと種明かs」
□ヽ| ・∀・|ノ「たかだか裁判長ごときが、このフランス国王に口答えかね?」
(^ω^裁 )「ゴメスww」
ヽ| ・∀・|ノ□「さてジャンヌ、この羊皮紙が何かわかるかい?」
(´・ω・`|||)「ルイ、あなた…教皇を脅して一筆書かせたわね」
ジャンヌ王妃は青白い顔で、唇を震わせてルイ12世を睨みつけた。
ヽ| ・∀・|ノ□「ノンノン、脅したとは人聞きの悪い!わたしがお前と離婚したい旨をアレッサンドロ6世猊下に手紙で申告したら…
猊下は快く離婚を認めてくださったのだよ。もちろん裏取引などない!」
(´・ω・`|||)「………教皇を買収するなんて」
ヽ| ・∀・|ノ□「買収?証拠があるのかね?」
現教皇アレッサンドロ6世(ロドリーゴ・ボルジア)は、金さえ積めば何でもするという悪名高い男だった。
¥ ・∀・¥<お金で何でも解決するよ!
今回の離婚調停で、ルイ12世が賄賂を彼に送ったということは想像に難くない。かもしれない。
ヽ| ・∀・|ノ□「まあヒス女の妄言はおいといて」
(´・ω・`|||)「なんですって!」
ヽ| ・∀・|ノ□「これこそ教皇の署名による離婚許可証!!!」
(^ω^裁 )「確かに本物かお?」
ヽ| ・∀・|ノ□「信じられないならば、確かめてみるがいい」
□⊂(^ω^裁;)「確認するお。えーと…『20年前のルイ12世とジャンヌの結婚に際しての前々教皇シスト4世の認可なんだけど、
あの決定はどうみても間違ってます。よって結婚は無効です』………
…………むむぅ、教皇猊下の仰せには逆らえないお」
裁判長は一瞬の逡巡の後、顔を上げて判決を言い渡した。
(^ω^裁 )「判決を申し渡しますお!!この度の国王夫妻の離婚は、教皇勅書により認められておりますお!
ゆえに!今回の離婚はきわめて合法的ですお」
判決が下り、ジャンヌ王妃は呆然とした表情で立ち尽くしていた。
絶望しているジャンヌ王妃とは対照的に、ルイ12世は小躍りして大喜び。
ヾ|*・∀・|ノシ「アンヌちゃ~ん♪今迎えに行くから待っててね~♪」
こうして終わった希代の「国王夫妻の離婚裁判」。
すでに王妃でなくなったジャンヌ王女は、10歳も歳をとってみえるほど憔悴しきっていた。
ヽ| ・∀・|ノ「ということでアデュー、『元』王妃のジャンヌさん」
(´・ω・`|||)「………ひどい」
ヽ| ・∀・|ノ「何がひどいものか、わたしはただ真実の愛を貫いただけさ」
(´・ω・`|||)「生まれたときからずっと蔑まれてきたけど、その中でも貴方は確実に最低ランクの男だわ」
ヽ|; ・∀・|ノ「…………」
調子こいたようかんキングにも、流石に良心の呵責というものがあったのか。
彼は前妻ジャンヌ「元」王妃にベリー公領を与え、ベリー女公とした。
ヽ| ・∀・|ノ「ほれ、ベリー公領をお前にやるからさっさとこの宮廷から去りたまえ」
(´・ω・`|||)「……はい」
こうして不幸なジャンヌ王妃は、ベリー女公としてブールジュの城に赴いた。
『そこで彼女は修道院を建てて、修道院長となって敬虔に暮らした』
(´・ω・`)「神の御前においては、何も差別はないのです。だから私も、主にお祈りして差別のない世界に生きたいのです。
ここで心を落ち着けて、仲間達と祈りながら暮らしましょう…」
国王ルイ11世の娘として生まれた「元フランス王妃」ジャンヌは1505年に亡くなった。
『元夫のルイ12世はブールジュの修道院で彼女の葬儀を盛大に執り行った』
『彼が元来の派手好みだったから盛大な葬儀になったのか、彼女への贖罪の念がそうさせたのか』
さて、どっちだったのだろうか?
ヽ| ;・∀・|ノ「ど、どっちでもいいじゃん、そんな事っ!」
『1743年にジャンヌは福者として列福され、1950年には教皇ピオ12世によって列聖された』
『ジャンヌは「フランスの二人目の聖ジャンヌ」であると同時に、ただ一人の列聖されたフランス王女となったのである』
※太字スミヌキ鍵括弧内独語サイトより簡単に訳出
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