アンヌ・ド・ブルターニュ8

~ここから回想~

マクシミリアン1世にはシャルルとフェルディナントという二人の可愛い孫がいた。
上のシャルルはブルゴーニュ育ち、フェルディナントはスペイン育ちである。
イングランドと同盟を結んでいた縁で、シャルルはメアリーと婚約が決まっていた。
問題は下のフェルディナントである。

(-∀-)「う~ん、フェルディナントの結婚相手を誰にするべきか」
ヽ| ・∀・|ノ「やぁマクシミリアン陛下。何か悩み事でも?」
(・∀・#)「何だようかん野郎、冷やかしならお断りだ!」
ヽ| ・∀・|ノ「せっかく婚約者を見繕ってあげようと思ったのに。じゃあこの話はなかったことに…」
(・∀・;)「ちょ、タンマ!孫の婚約者を見繕ってくれるの!?マジで?」
ヽ| ・∀・|ノ「これが冗談に見えますか?ん~?」

(-∀-;)(でもようかん野郎の考えることだし、ろくな事じゃなさそうだな…)

ヽ| ・∀・|ノ「陛下。冗談抜きでとっても素敵な婚約者に心当たりがあるんですがね…
        どうしてもこちらが信用できないんでしたら、仕方ない。この話はn(ry」
(・∀・;)「スイマセン!疑ったりしてゴメン!謝るから詳しく教えて!!」
ヽ| ・∀・|ノ「ふっふ、とびきりの美人ですよ?なんせわたしとアンヌちゃんの娘なんだから」
(・∀・;)「…へ?」

ヽ| ・∀・|ノ「わたしとアンヌちゃんの娘、ルネをそちらのお孫さんと婚約させていただきたい」
(・∀・)「ルネ王女か!うんうん、フェルディナントとも年が近いしピッタリだ!」
ヽ| ・∀・|ノ「悪い話ではないでしょう?」
(・∀・)「イイ(・∀・)!」

マクシミリアンは諸手をあげて、この婚約にGOサインを出したのです。

ヽ| ・∀・|ノ「…ニヤリ」
ヽ|・∀・ |ノ「さぁて、目指すはロンドン」

そそくさとマクシミリアンの同盟者のイングランド王ヘンリー8世に会いに行くルイ。

ヽ| ・∀・|ノ「あろー」
(´<_`  )「ハロー。フランス王自らお出ましとは流石だな」
ヽ| ・∀・|ノ「本日はお日柄もよく…」
(´<_`  )「形どおりの社交辞令は嫌いだ。さっさと用件を言ってもらおうか」

ヽ| ・∀・|ノ「きみと同盟してた神聖ローマ皇帝のマクシミリアンのことだ」
(´<_`  )「マクシミリアンがどうかしたのか?」
ヽ| ・∀・|ノ「実を言うとねー、先ほど彼と同盟してきたんですよ~」
(´<_`  )「…は?」

ヽ| ・∀・|ノ「マクシミリアンは貴方と同盟しておきながら、 わ た し と も 同盟を組んだんですよ」
(´<_` ; )「…冗談はよしてもらいたいな。貴様のことだ、あることないこと言って私を惑わそうとしているのだろう。
        だいたいあのバカ正直なマクシミリアンが自分から裏切るはずがあるまい」
ヽ| ・∀・|ノ□「こちらが証拠の婚約届けになりま~す♪」

ルイから渡された羊皮紙。その文面を見たヘンリーはたちまち怒りをあらわにした。

(´<_`# )「…あんのクソじじい!!私の大切な妹をあいつの孫と婚約させておいて、もう一人の孫はフランス王女と婚約だとぉ?!
        八方美人ぶりやがって!!」
ヽ| ・∀・|ノ「誰にでもいい顔するなんてむかつきません?アイツってば最悪ですよね!」
(´<_`# )「ええい腹の立つ!!あいつの孫との婚約話は破棄だ!破棄!」
ヽ| ・∀・|ノ「破棄?これはまた思い切ったことを。妹さんの幸せが遠くなっちゃいますよ?」

(´<_`; )「ぬぅ…確かにそうだ。破棄する前に次の婚約者候補を探しておかねば」
ヽ| ・∀・|ノ「いい婚約者がいますよ」
(´<_`  )「なに、心当たりがあるのか?」
ヽ| ・∀・|ノ「貴方の目の前にいますが何か?」

(´<_`  )「………………つまりフランス王、あんたか」
ヽ| ・∀・|ノ「オーストリアの鼻たれのクソガキなんぞよりは、百戦錬磨のわたしのほうがいいと思いますが」
(´<_`  )「そういやあんた、王になる前は随分と遊び歩いてたそうだな」
ヽ| ・∀・|ノ「ええ、『オルレアンの種馬』の二つ名を戴いてましたよ」

(´<_`  )「ふむ、奇遇だな。私も太子時代は『ロンドンの暴れ猪』と呼ばれていた」
ヽ| ・∀・|ノ「もっと若い頃に出会っていたら、きっといい好敵手(とも)になったでしょうね」
(´<_`  )「フッ…そうかもな」

こうして二人の間に奇妙な友情が生まれたのであった!

ヽ| ・∀・|ノ「じゃあ、妹さんはわたしがもらってやるから」
(´<_`  )「OK、承知した」

後日マクシミリアンのもとに、イングランド王から『婚約破棄』の通達が届いた。

(・∀・;)「えー!?」

そしてさらに後日、同盟したはずのフランス王から手紙が届いた。

ヽ| ・∀・|ノ『八方美人は信用ならないので、同盟および婚約は破棄させていただきます』

この時点で、マクシミリアンはようやくあのフランス王に嵌められたと気づいた…
しかし悔やんでも時は戻らない。まさしく後の祭となったのであった。

(T∀T;)「NEEeeeEEIN!!!」

~回想ここまで~



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