フリードリヒとレオノール2

ローマ行きの道すがら、ピッコローミニ枢機卿とレオノール王女は雑談で盛り上がっていた。

(,,^Д^)「レオノール王女、またどうしてフリードリヒ陛下なんかと結婚しようと思ったんです?」
('A`)「おい、な ん か とはなんだ!」
(,,^Д^)「これは失礼をばこきました。で、レオノール王女。結婚したいと思ったわけは…」
川 ゚ -゚)「神聖ローマ皇帝妃という響きがカッコいいからだ」
(;'A`)(;,,^Д^)「はい?」
川 ゚ -゚)「フリードリヒ、貴方は神聖ローマ皇帝の資格を認めてもらいに行くのだろう?
     ならば今回一緒にローマについていく妻のわたしは『神聖ローマ皇帝妃』となるわけだ。
     王妃でも公妃でもなく、帝妃だぞ?カッコいいことこの上ない」     

('A`)「ふむ、つまりきみは帝妃の肩書に惑わされた愚か者というわけだな」
川 ゚ -゚)「なにが愚かなものか。わたしは小さい頃から皇帝の妃になるのが夢だったのだ」
(,,^Д^)「なるほど、そういうことでしたか。
     最初そちらからの手紙を拝見した時は陛下と結婚したがるなんて
     なんという奇人変人かと思いましたよ」

そうこう雑談しているうちにもローマとの距離は縮まってゆく。
一行がローマに着くとドイツ王の結婚式と戴冠式が行われると聞いた民衆のおしくら饅頭状態になっていた!

( ^ω^)「おっ?あれがドイツ王とポルトガル王女かお?」
(^ω^ )「ちょ、見るお!ドイツ王とポルトガル王女の身長差スゲーお!!」
(;^ω^)「どれどれ。おおぉ!ホントだお。巨人と妖精と言っても過言じゃないお」

フリードリヒは余裕で180センチ越え、対するレオノールはすごく小柄かつ華奢な少女。
これは嫌が応にも目立つカップルであった。

('A`)「まぁ身長なんてあっても何の役にも立たないんですがね」
川 ゚ -゚)「わたしがキスしようと背伸びしてるのに届かないぞ!」
Σ('A`;)「キスはいらん!断固として断る!」
川 ゚ -゚)「結婚式の予行演習だ」
('A`;)「いやいや、本当に結構ですんで」

(,,^Д^)「ねえ陛下、もし神様から『身長10センチ低くなるのと引き換えに勇気と行動力をやる』と言われたらどうします?」
('A`)「速攻で身長を差し出す」
(,,^Д^)「でしょうねw」

そして押し寄せる人々をかきわけて道を切り開いた一行は、ようやく教皇ニコラウス5世の待つ
ヴァティカン宮殿にたどり着いたのだった。

/ ,' 3 「ピッコローミニ枢機卿、遅かったのう。いやはや待ちかねたぞ!」
(,,^Д^)「ニコラウス5世聖下、お待たせしました。
     こちらがドイツ王フリードリヒ・フォン・ハプスブルク、そしてこちらはポルトガル王女レオノール・デ・アヴィシュでございます」
/ ,' 3 「ほうほう」

('A`)「教皇聖下、ご機嫌うるわしゅう。ドイツ王フリードリヒでござる」
川 ゚ -゚)「ごきげんよう、教皇聖下。ポルトガル王女レオノールだ。今日の結婚式はよろしく頼むぞ」

フリードリヒとレオノールはそれぞれ教皇と握手した。

/ ,' 3 「ほっほっほ。勿論だとも、思い出に残る結婚式にしてやるからな!」
(,,^Д^)「それでは式場にご案内いたしましょう!」

教皇ニコラウス5世は式場でフリードリヒとレオノールの戴冠と結婚のための祝福を与えた。

/ ,' 3 「さっ、誓いのくちづけを遠慮なくするがよい」
川 ゚ -゚)「しかし背伸びしても届かないんだ。誰か踏み台を頼む」
(,,^Д^)つΠ「そうおっしゃると思ってあらかじめ用意しましたよ、レオノール王女」
川 ゚ -゚)「よっこいしょっと…ほら、フリードリヒ。こちらを向け」

しかしフリードリヒは顔を思いっきりそらしている!

('A`;)「いや…ちょっと覚悟がまだ決まってなくて…」
川 ゚ -゚)「ここまで来てなにをためらう必要がある」

レオノールはフリードリヒのほっぺたを両手ではさんで無理矢理自分の方を向かせた!
美しいレオノールの整った顔立ちが否が応でも彼の視界に入ってくる!

(((|||'A`))「ひっ…ひぃぃいいい!!女の子怖いぃぃ!!」
川 ゚ -゚)「全く、いい年をした殿方が情けない」
(,,^Д^)「陛下!気をしっかり持って!」
( *^ω^)*^ω^)*^ω^)「Baci!Baci!!Baci!!!」

/ ,' 3 「ほれほれ、皆待ちくたびれておるぞ。早くぶっちゅう~とやったらんか!」
(((|||;A;))「助けておかあちゃぁ~~~ん!」

てんやわんやのうちに無事式も終わり、正気に返ったフリードリヒはいきなりレオノールに『もう一つ名前を与える』とか言い出した。

('A`)「『レオノール』なんて呼びにくい。ドイツ風に『エレオノーレ』ではもっと呼びにくい。そういうわけできみに『ヘレーナ』という名を与えよう」
  _,
川 ゚ -゚)「…全くわたしの名と関係ないじゃないか。どうしてヘレーナなんだ」
('A`)「理由はとくにない。今しがたパッと思いついた名前だ」
川 ゚ -゚)「その場の思いつきで人の名を決めるとは…前代未聞だな。それならわたしもお返しだ。あなたをゴンザレスと呼ぼう」
     
Σ(゚A゚)

川 ゚ -゚)「さぁゴンザレス、伯父上のいらっしゃるナポリへ行くぞ」
(゚A゚)「………………」

そういうことで一行はナポリを目指すことになった。



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