ルイ11世お抱えの歴史家フィリップ・ド・コミーヌはこう言っている。
『議会政治の国は、てきぱきと事を進めることがない』
その言葉通りイングランド議会は、エドワード4世の提案するフランス王国フルヴォッコ計画を承認しなかった。
イングランドに動きが見られないので、ブルゴーニュのシャルル突進公は振り上げた拳の落とし所が見つからず困っているようだった。
(*゚∀゚)「うーん。エドワード義兄さんどうしたんだろうな~」
そんなこんなで1472年に年が変わり、若葉の緑がまぶしい5月になった。
そして緑豊かな5月も終わろうかという頃になってとある事件が起こった…
(;゚∀゚)そ「なにっ、シャルル・ド・ギュイエンヌさんが亡くなったぁ!?」
シャルル・ド・ギュイエンヌもとい王弟ギュイエンヌ公シャルルは、シャルル突進公の一人娘マリーの婚約者である。
ギュイエンヌ公シャルルの結婚が予定通り履行され、ブルゴーニュの富を継承するかもしれないとなってくるとフランス王ルイ11世に
とっては非常にややこしくかつまずいことになるに違いないと誰もが思っていた。
きっと危険を事前に取り除こうという考えでルイ11世がギュイエンヌ公シャルルを毒殺するように命じたのだ!というろくでもない噂が
フランスを通り越してあっという間にヨーロッパじゅうに広まった。
(#゚∀゚)つ=lニニフ「人の娘の婚約者に何さらしとんじゃ豚野郎!挙兵すっぞオラァ!!」
( ;,,゚Д゚ )「ちょっと待て!あいつは病気で死んだんだ、なんでもかんでもわたしのせいにするなよ!」
(#゚∀゚)つ=lニニフ「言い訳は聞かん!休戦協定も更新してねぇようだしヴェルマンドアぶんどってやるぜ!」
(( ;,,゚Д゚ )「アッー!」
シャルル突進公は勢いよくヴェルマンドア伯領に向かって突撃し、ボーヴェまで迫った。
だがボーヴェはなかなか陥落せずイングランドとアラゴンは動かないわで彼の作戦は失敗することになる。
そもそもこの1472年という年はイングランドの、特にグロースター公リチャードにとって記念すべき年となる予定だったのである。
ヾ(`・д・´*)ノシ「My Marriage coming here~♪I wedding,I wedding♪」
英語間違ってるとかつっこまない。
ともかく結婚の日取りも7月12日に決まったので、彼は生涯最高潮といえるものすごい浮かれっぷりを発揮していた。
普段あまり歌わないのに小唄などを歌い、鼻歌まじりに邸内を歩きまわる光景が侍女や召使い等に多数目撃されていた。
ただ残念なことに歴史書にこうした記述は残っていない。
話を戻すとリチャードの浮かれっぷりたるや、雨の日も晴れに見えるぜヒャッハー!というほどだった。
(`・д・´*)「アンヌさ~ん!いよいよ3日後は僕たちの結婚式だねぇ♪」
*(‘‘)*「はいはいおめでとうございます。ていうかあんた最近会うたびに毎日そればっかねぇ」
Σ(`・д・´;)「反応がvery cool!」
*(' `)*「毎日同じ台詞を聞かされてりゃ、流石に気分も醒めるわよ」
そう言ってアン・ネヴィルは肩をすくめてみせた。
その様子を見たリチャードは慌ててアンの肩口に腕を廻してぎゅっと抱きすくめた。
(`・д・´;)「いやいや!だって結婚式だよ!?普通もっとこう盛り上がるもんでしょ?
ドレスの試着とかさ、披露宴の規模どうするとかさ、誰を招待するかとかさ…」
*(' `)*「全部一通り終わっちゃったもん。あとは本番が残ってるだけでしょ?
てか予行演習の段階で疲れちゃったの」
゚ 。 (` д ´;)(えええーっ!?)
アンのあまりの言い方にリチャードの目玉は勢いよくぶっとんだ。
*(‘‘)*「なんか色々手順が多くて困っちゃうわ。初夜は本番あるみたいだしマジ困るっていうかぁ」
d(`・д・´*)「初夜なら心配しなくても大丈夫!僕ちゃんと予行演習したから!!」
*( ゚ ゚)*
リチャードの発言にアンは目をいっぱいに見開いた。
*( ゚ ゚)*「…パルドーン?」
(`・д・´*)ゞ「侍女に教えてもらったんだ♪でもなんでか知らんけど子供ができちゃってさぁ」
*( )*
リチャードの言い放った第二の爆弾発言にアンの表情が凍った。
*( )*「…お前、ちょっとそこに直れ」
(`・д・´*)「え?」
リチャードは呆けた顔でアン・ネヴィルを見た。彼女の顔は般若の形相になっている。
*( )*「ションベンは済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」
(´・д・`;)
アンが怒りに震える様子を見たリチャードは流石に事態を把握したのか、顔面蒼白になって股間を押さえた。
*(#゚ ゚)*「この浮気野郎!全ての元凶のそのチソコ引きちぎって八つ裂きにすっぞ!」
(´・д・`|||)「ちょ、アンヌさん…お、落ち着いて…」
*(#゚ ゚)*「うるせぇヴァーカ!!!浮気男!二度と朝日を拝めないようにしてやるわぁ!」
アン・ネヴィルは金切り声で叫ぶと縮こまるリチャードに向かって襲いかかってきた!
(´ д `|||)「きゃあああっ!!!」
フロアじゅうに哀れなリチャードの叫び声が響き渡る。アンはリチャードを全体重をかけて押し倒し、馬乗りになって彼の首を絞めだした。
*(#゚ ゚)*「お前は私というものがありながら、私を愛していると言いながら他の女に手を出してたんか!」
(´ д `|||)「げっ、げほっ…いえ、決してそんな不実をするつもりじゃなくて成り行きで」
*(#゚ ゚)*「返せよ!これまでの私の胸のときめきを全部耳揃えて返せよ!!」
アン・ネヴィルは忌々しげにリチャードの頭をひっつかんでガクガク揺さぶりをかけた。
((´ д `|||)))「「あががががっ、の、脳が揺れちゃうぅ、やめっ」」
*(#゚ ゚)*y「ピンクいことしか考えてねぇような脳みそなら全部ぶちまけてやるわ!」
(´ д `|||)「ふがっ!」
アンはリチャードに勢いよく鼻フックを仕掛けてきた!リチャードは勢いよく鼻血を噴き出した!
*(#゚ ゚)*つ「挙句子供までこさえやがって!それを結婚式3日前に言うとかどういう神経しとんじゃオラ」
<´ д `|||)「いだだだだだっ」
リチャードの頬を強くつねった後、アンは更に平手打ちをお見舞いしてきた。
*(#゚ ゚)*⊂彡☆)´д |||)パーン
痛そうに右頬を押さえたリチャードの左頬めがけて、アンは返す手でさらに強烈に引っ叩いた。
いまやアンの膝の下でリチャードは血まみれになってぼろきれのように倒れ伏していた。
(#)д(##)「い、や…、ホント違うんです…本番でやり方解らなかったら恥をかくと思って…出来心で…」
*(#゚ ゚)*「ふぅん。そんで子供は1人だけ?」
(#)д(##)「さんn
デュキシ!!
((##)д(#)ガクッ
*(#´ `)*「3人だぁ?3人もこさえといて『なんでか知らんけど子供ができちゃって』ぇえ?
しらじらしいっ、やっぱお前どうしようもないチソコ野郎だわ」
アンは舌打ちしながら『ったく、これだからグロースターのチソコ野郎は…一番上のお兄さんに似たのかしら』と呟いて、
汚物を見るような眼差しでリチャードを見下した見下ろした。
彼女はこめかみに青筋を浮き出させ、不愉快そうに寄せた眉間には深いしわが刻まれていた。
(##)д(#)「いや…あの、ホントすんません。もう二度としますん」
*(#´ `)*「『しますん』?『します』なのか『しません』なのかどっちだ、あぁん?!」
アンはリチャードの腫れあがった頬をつついてダミ声で威しをかけた。
(##)д(#)「侍女とは金輪際何事も致しません!これっきり縁を切らせていただきまふ!」
*(#´ `)*「よろしい。まぁ侍女はアレだけど子供に罪はないわ、引き取って育てましょ」
(##)д(#)「御厚情痛み入ります、わが愛しのアンヌさま」
この瞬間、アン・ネヴィルとグロースター公リチャードの力関係が永久に確定することとなった。
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