( *^ω^)つY「ささ、グロースター公。もう一杯!」
((*´‐д‐`)「うぅーん…もぉ呑めないよぅ…」
宴でワインを振舞われてぐでんぐでんになっているリチャードの肩を誰かがつつく。
(*´・д‐`)「ん~?」
*(‘‘)*「リッチーくん、召使いが呼んでるよ。…日も暮れてきたから寝室においでくださいって」
(*`・д・´)そ
婚姻証明となる初夜の儀は東西を問わず、結婚式のメインイベントである。
(*`・д・´)「心配しなくていいよ、僕ちゃんとやるから!ね、アンヌさんっ」
立ちあがろうとしたリチャードは足がもつれてその場に倒れ込んだ。
そんな彼の手をひっぱって起こそうとしながら、アンはため息をついて呟いた。
*(´ `)*「…リッチーくんの『ちゃんとやる』にはあんまり期待してないから安心して」
(;`・д・´)「えっ」
( ^ω^)「お二方とも、寝室までご案内しますお。立会人一同がお待ちですので早く早く!」
リチャードの召使いがふたりの背中を押しながら、寝室までの道のりを急がせた。
(*`・д・´)「♪♪♪」
*(´ `)*「足元ちゃんと見て歩かなきゃ、またコケるわよ?」
( ^ω^)「おっおー♪結構お召しでしたおね、グロースター公」
(*`・д・´)「だってみんなが勧めてくるんだもの~。アンヌさんも呑んできたんでしょ?」
*(´ `)*「うん、まぁひと樽くらいはね」
(;^ω^)「え?ひと…樽…?」
召使いとリチャードは顔を見合わせた。
(;^ω^)(顔色ひとつ変わってないとは、恐ろしい子!)
(;`・д・´)(ひと樽呑み尽くしてこれだけしっかりした足取りって!アンヌさんには勝てそうにないや)
*(´ `)づ「なにボ~ッと突っ立ってんの、とっとと進む!」
((;´・д・`)「おぅふっ」
アンは馬に鞭をくれてやる御者さながらにリチャードの背中を引っ叩いた。
そんなこんなで辿りついた寝室の手前ではエドワード4世とクラレンス公ジョージが待ち構えていた。
リチャードを出迎えるエドワード4世とクラレンス公ジョージの満面のニヤニヤフェイスといったら、もし画家がこの場を描きとめていたならば
英国史上に燦然と残る『腹の立つ光景ベスト5』にランクインしそうなほどムカつくニヤケ顔であった。
エドワードはジョージを嫌っているがこういう場面では妙にウマが合うようで、やはり血のつながった兄弟だと思わせる説得力があった。
ヾ('∀` )ノシ「Happy,Merry,wedding~っとくらぁ♪」
m9( 'Д` )9m「おいおい、リッチーの足元ヤバくね?どうやってここまで歩いてきたんだよwww」
*(´ `)*「ご心配なく、こちらでしっかり歩かせましたので」
アン・ネヴィルはリチャードの背中を思い切りバシバシと叩いた。
(*´;д;`)「僕の背中が真っ赤に燃える…痛いから誰か湿布をください…」
(^ω^ )「あいにくですがワインを冷やす用の氷しかございませんお。はいどうぞ」
アンの召使いが樽入りワインを冷やしてある大きな盥からスコップで氷を取りだし、何のためらいもなくリチャードの襟から背中に流し込んだ。
(((|||´゚Д゚`))「NOOOOO!!!」
(^∀^ )「うーん、仮にも王弟に向かってこの歪まぬ態度。主人が主人なら召使いも召使い…」
*(´ `)9「国王陛下、今なんとおっしゃいました?」
(^∀^;)「んー、おほんっ」
m9( ^Д^ )9m「わざとらしい咳払い乙www」
リチャードはその場にがっくりと膝をついて震えながら倒れ伏している。
(|||´゚Д゚`)「たすけて さむい」
( ^ω^)「おっ、それならお召し物をとっとと脱がれたほうがよいですお。
ベッドの支度も整ってますのでお先に布団にもぐりこんで、身体を暖めていかれては?」
(|||´゚Д゚`)「うん そうする」
召使いはリチャードの手をとり、主人を寝室の中へと放り込んだ。
m9( ^Д^ )9m「…にしても、さっきのはひでぇよなwwwwww」
(^∀^ )「あー、背中に氷はねぇわwwさっきのリッチーのあの顔見ててちょっと可哀想になったしw」
*(‘‘)*「腫れも引くし酔いも醒めて一石二鳥だと思いますけどね」
m9( ^Д^ )9m「うーんwwwwじwつwにww合理的www」
クラレンス公ジョージはいかにも楽しそうにうひゃひゃと笑った。
*(‘‘)*「ところでお二方とも、どうして私たちを出迎えたんです?」
(^∀^ )「あれ、言ってなかったっけ。俺、立会人としてこっちに来たの」
*(;' `)*「……え。国王陛下なんですか、立会人」
あからさまに動揺しているアンに対してエドワード4世はニヤニヤしながら話を続ける。
Σd(^∀^ )「当たり前だろ?俺は自分でするのも見るのも大好きだ」
*(;' `)*「まさか、馬k…ジョージ義兄さんも?」
m9( ^Д^ )9m「…いや、オレは違うからwwwイザベラからアンさんに言づて頼まれたから待ってただけだしww
別にアンさんとリッチーがどうなろうと知ったこっちゃないからwww」
*(;' `)*「…そのくらい放任主義のほうがいっそ有難いわ。ところで姉さんからの言づてってなんですか」
m9( ^Д^ )9m「えーと。『この手紙に初夜の心得をまとめておきましたから見てね』ってさw」
クラレンス公の紋章が型押しされた蝋で封緘した手紙がアンに手渡された。
m9( ^Д^ )9m「そんじゃ、宴会場に戻るわwwwww」
*(;' `)*「…お気をつけて。深酒は体によくないですよ」
m9( ^Д^ )9m「深酒ぇ?ヨーク家のワイン樽と言われるオレをなめんなしwwww」
ジョージはアンに向かってヒラヒラと手を振ると、浮ついた足取りで廊下を渡っていった。
*(‘‘)*「初夜の心得ってなにかしら」
アンは封緘を切って手紙を広げた。
从'ー'从『多分この手紙を見る頃にはあなたはエドワード4世陛下が立会人だと知って動揺しているでしょう。
初めてのことだらけで怖い思いをしているでしょうが、そこまで恐れることはありませんよ。
リッチーくんじゃ頼りにならないとも思ってるかもしれませんね。安心して、あの子はアンが思うほど
頼りがいのない男の子ではありませんから。ジョージくんにお父様のもとから戻るように説得したのも
あの子です。だからいざというときには頼りにしていいと思います。
話がそれましたが、ともかくこれから起こることを怖がる必要はありません。
リラックスして平常心で臨むのがコツですよ。
多少痛い思いをするかもしれませんが、よくある事です。リッチーくんのせいにして殴らないようにね!
アンが無事に大人の試練を乗り越えてくれることを祈ってます♪ イザベラより』
*(;‘‘)*「もぉ!流石に神聖な婚姻証明の床で殴るだなんてしないわよ!」
(^∀^;)(…だといいけどな)
少し不安げに目を閉じたエドワード4世をよそに、アンは手紙を折りたたんでポケットに入れてから寝室のドアを開けて部屋の中に入った。
先にベッドに入って待っていたリチャードはアンに気付いて、目線を彼女の方に向けた。
*(‘‘)*「…なんか緊張してきた」
(´・д・`)「ん、僕もすごいドキドキしてきた」
とりあえず慣習に則って着ていたものを召使いに預けたアンはもそもそとベッドに入った。
*(‘‘)*「姉さんがねぇ、リラックスするのが大切だって手紙に書いてくれたの」
(`・д・´)「うん、アンヌさんはいつも通りでいいんじゃない?僕の調子はギンギンだけどね!」
アンは横目でじろりとリチャードをねめつけた。
*(' `)*「まったくこれだからチソコ野郎は」
(;`・д・´)「この期に及んでどうしてそんなこと言われるのかわからんし。今へなちょこだったら、それはそれでヤバいと思わんの?」
*(' `)*「知らない。そんなこと知りたくもない」
アンはキツい口調でそう吐き捨てたあと、リチャードに背を向けてしまった。
(´・д・`)「…調子こいて申し訳ありません。顔をこちらに向けてくださいませ、アンヌさま」
*(´ `)*「や」
(´;д;`)
(^∀^ )「よっ、本番前の差し入れ持ってきたぜ~…って雰囲気悪っ」
ワイン樽を抱えてきたエドワード4世は初夜の床らしからぬ険悪な空気を察して眉を寄せた。
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