や ら な い か (2)

   ,_
(^∀^ )「なんかあったん?」

*(´ `)*「リッチーくんがチソコ野郎なんで幻滅してたんです」

(´・д・`)「『僕の調子もギンギンさ!』って言っただけでこの有様だよ」

Y⊂(^∀^ )「把握した。アンヌさん、それはブルギニョン・ジョークだ!もうちょっと心広く行こうか。
         あとこれはブルギニョンワインだ!さぁグイっと引っかけちゃえ」


エドワード4世は杯をアンに差し出した。


*(´ `)つY「ジョークはともかくワインは受け取りましょう」

(´・д・`)「…んー、ブルゴーニュ仕込みのジョークは嫌いなの?」

*(´ `)*「んーん。他の誰かが言うのは別に構わないけど、リッチーくんが言ったのが嫌だっただけ」

(´・д・`)「僕だってたまにはシモネタのひとつやふたつ言ったっていいと思うの」

*(´ `)*「私はそれってリッチーくんらしくないと思うの」

(`・д・´)「せっかくブルゴーニュで、シャルルさんのお父上が纏めさせた『サン・ヌーヴェル・ヌーヴェル』の写本まで貰って覚えてきたのに…」

┐*(´ `)*┌「そういう方面にマメさを発揮されてもね~」


アンは大げさに肩をすくめるポーズをとった。
背中合わせになっているリチャードはアンの肩に頭をもたせかけ、納得いかなさそうな表情を向けている。


(`・д・´)「何言ってんのさ、今こそこういう話が必要な時じゃん?」

*(´ `)*「そういう話は国王陛下にお任せしときゃいいのよ」

(^∀^ )「今のは褒め言葉?」

*(´ `)*「そう受け取れるのでしたらそう思って下さって結構です」


リチャードは首をかしげながらアンに話しかけた。


(;`・д・´)「…エディ兄ちゃんはよくて僕はダメ?アンヌさんが僕のことをどう捉えてるんだかわかんなくなってきたよ」

*(´ `)*「大丈夫。私はリッチーくんが私のことをどう捉えてるのかよくわかってるから」

(;`・д・´)「なにが大丈夫なのかわからない!」

(^∀^ )「リッチー、これから楽しい新床なのにそんな難しい顔すんなよ。とりあえずこれ飲んどけ?」

(`・д・´)つY「そういやブルギニョンって言ってたけど…」

(^∀^ )「うん、シャルルさんとこからの結婚祝いだ」


差し出されたワインを飲んだリチャードはにっこりと微笑んだ。


(*`・ー・´)「ボルドーのやつもいいけど、やっぱこっちのほうが好きだな~。あとでシャルルさんにお礼の手紙出しとこうっと」

(^∀^ )「ブルギニョンはうめぇよ。ジョージの奴は『マルムジーしか認めねー』みたいなこと言っとるけど、視野狭すぎだよな」

(*`・ー・´)「ま、好みの問題だけど…僕もブルギニョンがいいな。アンヌさんはどう?」

*(*‘‘)*「噂には聞いてたけど、ブルギニョンを飲むのは初めてなの。これおいしいね!もう一杯欲しいな~」

(^∀^ )「二人きりで愉しむには充分すぎるくらい持ってきてるよ。遠慮はいらん、たっぷり呑むがいい!」

(*`・д・´)「まるで自分が用意したみたいな言い方だけど、手配してくれたのはシャルルさんだよね」

(^∀^ )「こまけぇこたぁいいんだよ!じゃ、俺は隣で他の立会貴族とだべってくるわ。一部始終をしっかり聞き届けてやるから覚悟しとけw」


エドワード4世はそう言うとドアを開けて外に出ていった。


(*`・ー・´)つY「ねぇアンヌさん、乾杯しよっか?」

*(‘‘)つY「ん。そんじゃ乾杯!」


アンは軽く上体をひねってリチャードのほうを向き、杯の縁をリチャードの杯にこつんとぶつけた。


*(*‘‘)*「このまったりとした芳醇な薫り、これはまさしくワインの至宝です!みたいな?」

(*`・д・´)「ブルゴーニュの野を吹き抜ける一陣の風のような…えーと、後が思い浮かばない。まぁいっか!」


杯を置いたリチャードは目をこすって布団をかぶった。


*(*´ `)*「あれ?寝んの?」

((;`・д・´)「あっ」


リチャードはあわてて跳ね起き、頭を掻きながらアンの目を見つめた。


(*`・д・´)ゞ「アンヌさんが言ってくれなきゃ、いつも通り寝るとこだったよ」

*(*‘‘)*「私はひと眠りしたあとのほうが…じゃなかった、ひと眠りした後でも構わないけど」

(*`・д・´)「アンヌさんがそう言うなら…」


壁を隔てた隣の部屋で耳をそばだてるエドワード4世と貴族たちは驚きに顔を見合わせた。


Σ(^∀^;)「やらないのかよ!」

(;^ω^)「国王陛下。初夜の儀でこれはちょっと…」

(^∀^;)「今寝たら絶対朝になるまで目ぇ覚まさないって」


エドワード4世はリチャードとアンがいる寝室に面した壁をドカドカ叩いた。


(*`・д・´)そ「えっ!なになに!?」

<おーい!ちゃんとやることやってから寝ろー!これ以上貴族の皆さんを待たせるなんて申し訳ないだろうが!

*(*‘‘)*「国王陛下たちもお疲れなら、ひと眠りなさればいいんじゃありませんか?」

<何をおっしゃるのですかお、これを楽しみに来たっていうのに今さら寝ろだなんて本末転倒ですお!

(;`‐д‐´)「…『これを楽しみに』ねぇ。ふ~ん…」

<披露宴なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです!

<そうだそうだ!隣の部屋で様子見するだけにしようと思ってたけど、お前たちがマジで寝るって言うなら兄ちゃん自ら見に行くぞ!
  それはもう隅から隅まで目を光らせちゃうからな!

(´・д・`)「いや、どう見ても…」

*(´ `)*「自分が見たいだけです。本当にありがとうございました。」


リチャードとアンは半ば諦めの表情を浮かべてため息をついた。
さらにエドワード4世と愉快な貴族たちが寝室に雪崩れ込んでくるのを目の当たりにし、二人して力なくうなだれた。
エドワード4世たちはベッドのかたわらに小さなテーブルを持ち込み、樽いっぱいのブルギニョンを酌み交わしつつリチャードとアンを急かした。


Y⊂(^∀^゚0)「さぁ、俺たちのことは気にせず遠慮なく絡み合うがよい」

(0゚^ω^)b「ご安心なさいませお、雰囲気は壊さないようになるべく黙ってますから」

(^ω^゚0)「そうそう。僕たちは大人しく体操座りでもしてますお。ためらいは捨ててさっさとどうぞ!」

(´・д・`)*(´ `)*(そういうこと言われると逆に気分が萎える)

(^∀^゚0)「なにノリの悪い顔してんだよ、さっさとキスのひとつでもしやがれw」


エドワード4世は貴族たちと一緒になって二人をからかいはじめた。


*(´ `)*「誓いのキスなら式でやりました。国王陛下も見てたでしょ?」

(^∀^゚0)「あんな堅苦しいのはキスとはいわん。アンヌさん、はぐらかそうとしたって無駄だよ?」


エドワード4世はアンの手首を両手で掴むと、真剣な目つきでアンを見つめた。


*(´ `)*「…はぐらかそうなんてしてませんったら」

(^∀^゚0)「俺の目にごまかしは効かない。きみ、すっごい逃げ腰になってるように見えるけど…」

*(´ `)*「そんなことないです」

(^∀^゚0)「おおかた、相手がリッチーで心配だとか」

*(´ `)*「…まぁ、それはあるかも」

(;`・д・´)(そこは否定してほしかった!)


アンは隣でリチャードが焦っている様子を察して、ちらりと彼の顔を見た。


*(‘‘)*「もしひどいことしたら、速攻でリッチーくんのチソコもぐからね」

((;` Д ´)(夢が正夢になっちゃう!)

:;。(^*^゚0)「ぶふっwwww威勢のいいことでw」

(;` д ´)「あの、アンヌさん。僕は一体これからどうすりゃいいの?」

*(*´ `)*「もがれたくないのならまず私の機嫌を損ねないこと」

(;`・д・´)「…はい」

(;`・д・´)(せめてアンヌさんがめっちゃ酔っ払ってくれてたら、まだごまかしがききそうなんだけど…)


ひと樽以上は確実に飲んでいるはずのアンだが、頬にやや赤みが差している他はいつもと変わりがなかった。
それに比べてリチャードは全身に酒がめぐってうまく身体に力が入らず、なんとか枕にもたれかかっているというところである。


(;´・д・`)(はぁ、どうしてアンヌさんのほうがお酒が強いんだろう)


己のチソコを死神の鎌に晒されすっかり悩ましい気分になっているリチャードは、眉を寄せてアンを見つめた。


*(*‘‘)*「なにボーッとこっち見てんの?したいんならさっさとすれば?」

(;`・д・´)「迂闊にやらかしてきみを怒らせるのが怖いんだよ!」

*(*´ `)つ「大丈夫、その時は全力でもぐから」

(;`・д・´)「まず『もぐ』選択肢を無くしてくんない?」

*(*‘‘)*「それはできない相談ね」

(;´・д・`)「ええぇ~…」


アン・ネヴィルはリチャードに向かい合って座り、昼間はドレスに隠されていたボリュームあるおっぱいが彼の目の前にぶら下がっている。


(*`・ー・´)(うぅん、予想外におっきい…)


にもかかわらずリチャードはなかなか次の一手に出られずためらっていた。


*(*´ `)*「リッチーくん?」

(*`・-・´)「んっ?」

*(´ `)q「視姦すんな」

(;` Д ´)そ「うぇっ!?」

(^∀^゚0)「wwwwwwwwwww」

(^ω^゚(^ω^゚0)「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

(;    )(エディ兄ちゃんたちuzeeee!)


平常心をすっかり失っているリチャードの手をアンは両手でそっと握りしめた。


*(*‘‘)*「だからしたいならさっさとすればって言ってんじゃん!」

(;`・д・´)「そんなこと言って、したら怒るくせに…」


アン・ネヴィルは眉間にしわを寄せ、目を吊り上げた。はっきりしない態度のリチャードにとうとう我慢の臨界点へ達したらしい。


*(*`´)*「もー、どうしていつもそう自信なさげにするわけ?リッチーくんのそういうとこ、昔っからイライラすんのよ!」

(#`・д・´)「アンヌさんがいつも僕を威すから!僕だってアンヌさんのそういうとこがイヤなんだよ!」

*(*`´)*「なによ!そんなこと言って自分が優柔不断なのを人のせいにするつもり?!」

(#`・д・´)「ああ、きみのせいだよ。僕がこうなったのはきみがしょっちゅう威してくるからだよ!
        なにかっちゃ『チソコもぐ』なんて言われてたら何もできないじゃん!」

*(*`´)*「うっわー、開き直ってきた。開き直るヘタレって最低」

(#`・д・´)「最低なのはアンヌさんのほうでしょ!人のチソコをなんだと思ってんのさ!
        気軽にもぐもぐもぐもぐって言ってくれるけどさ、僕のチソコが着脱式だとでも思ってる?」

*(*`´)*「うっさいわねー。こっちはわかってて言ってるのよ!あんた、これくらい言わなきゃわかってくんないじゃない」

(#`・д・´)「ったく、人を子供扱いして見下すのもいい加減にしてくんない?
        エドワードさんにはおしとやかにしてたくせに、どうして僕にはそんな態度ばっかなの!」

*(;‘‘)*「なっ、なんでリッチーくんがエドワードさんのこと知ってんのよ!」

(#`・д・´)「召使いが言ってたんだよ、『エドワードさんの前でのアンヌさんは英国淑女そのものでした』って」

*(;`´)*「…だって、婚約中だったもん。だいたい相手はプリンス・オブ・ウェールズだし…」


口ごもったアンの肩をリチャードは勢いよくひっつかみ、激しく揺さぶりをかけた。


(#`・д・´)「プリンス・オブ・ウェールズ『だし』!?僕だって一応グロースター公なんだからね!」

((*(;´ `)*)「s、そんなこkと、、わ、わかってtるわyお!」


リチャードはアンの肩を掴んだまま、じっと彼女の緑灰色の瞳を見つめた。


(`・д・´)「エドワードさんは特別扱いで僕にはひどい態度を取るなんて不公平だ!僕だって英国淑女でかわいいアンヌさんを見たいよ!」

*(;´ `)*「……やだ、恥ずかしい」

(`・д・´)「一生のお願いだから!ね、ね!」

*(;´ `)*「…誓いの儀式のときに、精いっぱいおしとやかにしたもん」

(`・д・´)「今だって儀式は続いてんだよ?兄ちゃんたちだっているし、充分おしとやかにしなくちゃいけない場だと思うけど?」

*(;´ `)*「う~」

*(´ `)* チラッ


アンはすっかり困り切って不安に曇った眼差しを立会人たちに送った。


d(^∀^゚d(^ω^゚d(^ω^゚0) グッ!

*( ' `)*「……………」


助け舟の代わりに返ってきたのはあからさまに好奇心のにじみ出たニヤニヤとサムアップだった。


(o`・д・´)o「おしとやかでかわいいアンヌさんが見たい!」

(^∀^゚(^ω^゚(^ω^゚0)) コクコク!


逃げ場のない空間で、リチャードのキラキラしたまなざしと立会人の無言の圧力がアンを静かに取り巻いていた。
今まさに、アンはふたつにひとつの選択を迫られていた。




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