~1461年・ミドゥラム城~
グロースター公リチャードは一人前の騎士になるため、従兄のウォリック伯リチャード・ネヴィルの所領ミドゥラム城に連れてこられた。
リチャードは緊張に顔をこわばらせつつ、出迎えに現れたウォリック伯妃アン・ボーシャンに向かって深々とお辞儀して挨拶を述べた。
(´・д・`;)「アンおばさま、これからお世話になりますグロースター公リチャード・オブ・ヨークと申します!
いろいろご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします!」
ミ*゚ー゚彡「迷惑だなんて、それにアンおばさんでいいのよ。ほんとの家族だと思っていいんだから。
うちの子もお兄さんができてきっと喜ぶわ、仲良くしてあげてね」
(´・д・`)「は、はい!」
柔和な微笑みを向けるアン・ボーシャンにリチャードは少し安堵した。
しかしリチャードに付き添ってきたウォリック伯は腕を組みながら厳しい顔をして彼を見やる。
●3●「俺の娘に手ェ出したら許さんからな、ちんちくりん」
(´・д・`;)「はいっ、ネヴィルさん」
ミ*゚ー゚彡「もー、そういうこと言わないの」
アン・ボーシャンがウォリック伯をたしなめるも、彼は眉間にしわを寄せたまま厳めしい表情を崩さない。
_,
●3●「いや、変なことになる前に釘は刺しておくべきだ。おいわかったかちんちくりん」
(´・д・`;))「はい!」
割り当てられた自室に向かうためミドゥラム城の廊下を通るリチャードの表情は不安に翳っていた。
(´・д・`;)「アンおばさんは優しそうだけどネヴィルさんは怖いや…
これからお世話になるんだから失礼がないようにしなくちゃいけないけど自信ないよ」
柱|)* チラッ
(´・д・`)「ん?」
柱の向こうに人影を見たような気がしたリチャードはふっと顔を上げた。
柱|彡 サッ
(´・д・`)「あっ、待ってよぅ!」
柱|‘)* チラッ
人影は柱の向こうから少しだけ顔を出してじっと様子を伺っている。
(´・д・`)「…おんなのこ?」
(´・д・`)(ネヴィルさんとこの子かな?)
柱|‘)* ………
(´・д・`*)(…かわいい子だなあ)
柱|‘)* ジーッ
黙ってこちらを見てくる少女に、リチャードは勇気を出して呼びかけてみた。
(´・д・`)「マ、マドモワゼル・イザベル?」
柱|彡 サッ
ヽ(´・д・`;)「あぁっ、ごめん!違ったの?ならマドモワゼル・アンヌ?」
柱の影に隠れた少女はそっと顔を出して不満げな声音でリチャードに応えた。
柱|‘)*「わたしアンだもん。ひどいふらんしゅなまりね!」
(´・д・`;)「ごめんね、何ヶ月かブルゴーニュにいたからフランスことばが抜けきってないんだ」
柱|‘)*「ぶるごーにゅにいってた?じゃああなた、ぐろーすたーのりちゃーどくんね?」
(´・д・`)「うん」
うなずいたリチャードにアンはやっと柱から離れて彼の方に近づいてきた。
柱|(((*(‘‘)* トコトコ
(´・д・`)「僕、グロースター公リチャード。仲良くしてね、マドモワゼル・アンヌ」
*(‘‘)*σ「わたし、うぉりっくはくじょのアンよ。パパがいってたちんかしゅやろうってあんたのことね!」
(´・д・`;)「えぇっ!チンカス野郎!?」
~ちょっと前~
●3●「まったく、エドワードとジョージはともかく一番下のリチャードはヘタレすぎだな。
ヨーク公と同じ名前をもらっといてありゃねーわ…とんだちんちくりんのカス野郎を拾っちまったな、
まぁせいぜいボコスカ鍛えてやるか」
*(‘‘)*(ちん…かしゅやろう?)
●3● ブツクサ…
そんな上記の事情など露ほども知らないリチャードはアンから初対面で思わぬ罵倒を受けたと勘違いして、
弱り切った顔でアンに訂正を求めたのだった。
(´・д・`;)「チンカス野郎じゃないよ、リチャードだよぅ」
*(‘‘)*「ふぅん。じゃあリチャードくんってよんでいい?」
(´・д・`)「んーん、リッチーでいいよ。きみのことはなんて呼べばいい?」
*(‘‘)*「えっとね、さっきみたいにまどもわぜるなんてカッコつけなくていい」
(´・д・`)「じゃ、アンヌさんって呼ぶね」
アンは白い小さな手をそっとリチャードに差し伸べた。
*(‘‘)*っ「よろしくね、リッチーくん」
⊂(´・д・`)「こちらこそよろしく、アンヌさん」
そして数日と経たないうちにリチャードとアンはすっかり仲良くなったのだった。
*(‘‘)*「ねーリッチーくん、あそぼ!」
(´・д・`)「ん、短剣のおけいこ終わったらね」
*(‘‘)*「じゃあそこのきのとこでみながらまってる!」
アン・ネヴィルは木の下に座って、少し離れたところで剣術の稽古を受けるリチャードを見守っている。
木|‘‘)* ジー
( ^ω^)「王弟殿下、そんな構えでは敵にかわされますお!」
(;´・д・`)つ=lニフ「は、はいっ!」
木|o‘‘)*o リッチークン、ガンバッテネー
(`・д・´)つ三つ=lニフ「隙あり!えいっ!」
リチャードはさっと腰を深く落とし、果敢に相手の懐に切りこもうとした!
(^ω^ )「持ち方が甘いですお、王弟殿下。あらよっと!」
(;`・д・´)つ「あ!」
リチャードの短剣は乾いた音とともに空中に弧を描き、地面に落っこちた。
(^ω^ )「しっかり持ってないとこうやって手首を狙われた時に振り落とされてしまうのですお」
(;´・д・`)「…はぁい」
剣術の稽古をすませたリチャードはふらふらとアンのところに足を運んだ。
(´・д・`)「ごめんねアンヌさん、僕がとろいからなかなかおけいこ終われないで待たせちゃって」
*(‘‘)*「いいのよ、きのことあそんでたから」
(´・д・`)「きのこ?」
*(‘‘)*っΩ (´・д・`)グーキュルルル…
Ωヽ(´・д・`)「おいしそうだね。焼いて食べようっと」
リチャードはきのこを持って剣術の稽古をつけてくれた貴族に駆け寄った。
Ωヽ(´・д・`)「あの、このきのこを食べたいのでだれかお料理番を連れてきてください!」
( ^ω^)「王弟殿下、それ毒きのこですお」
Σ(´・д・`;)
*(‘‘)*っΩ「じゃあこっちはたべられるきのこ?」
( ^ω^)「それは食べられますがあんまおいしくないですお、姫君」
(´;д;`)「せっかく食べられると思ったのに…うぅ、おなかすいたよぅ」
その場にぺたんと座りこんでしゃくりあげるリチャードを見て二人とも不憫に思ったのか、しゃがみこんで懐からなにやら袋を
取り出して彼の膝の上にぽんとのせてやった。
( ^ω^)「王弟殿下、よかったら私のお弁当の残りでもいかがですかお?」
*(‘‘)*「しょうがないわね、わたしのおやつもあげるー!」
(´;д;`)「うわぁ、ありがとう!」
(´;~;`)モシャモシャ
分けてもらったお弁当とおやつをぺろりと平らげたリチャードは満足そうな顔をして伸びをした。
ページをめくる