邂逅!アン・ネヴィル!(2)

(´・д・`*)「ふー、おなかいっぱい!」

*(‘‘)*「リッチーくん、あそぼうよ」

(´・д・`)「そだね、何して遊ぶ?」

*(‘‘)*ノ「ひみつきち!」

(´・д・`)「秘密基地!でもふたりじゃつくるの難しいよぅ、フランシーくんもつれてきていい?」

*(‘‘)*「うん!」


数十分ほどして、リチャードの親友フランシス・ラヴェルがこれ以上ないほどキラキラしたまなざしでアン・ネヴィルのところにやってきた。


ミ*゚∀゚彡「リッチーくんからひみつきちつくるってきいてきたよ!ぼくもつくるのおてつだいしていい?」

*(‘‘)*「ん、でもほかのこにいっちゃだめよー」

ミ*゚∀゚彡「うん、ぜったいいわないよ!ねぇはやくつくろーよ」

(´・д・`)「その前にどこに作るか決めないと」

*(‘‘)*「あのきのうえはどうかなぁ」

(´・д・`)「雨が降ったらおしまいだよ、もっと安全なとこにしよう」

ミ*゚∀゚彡「ねぇ、あっちにほらあながあったよ!」

(´・д・`)「え、どこにあるの?」

ミ*゚∀゚彡「えっとね、木でかくれてるんだけどね…ほら!」


フランシスが指し示した先は木が生い茂っていたが、枝を掻き分けてみるとなんとも探究心をくすぐる洞穴が出てきたではないか。
これを見たリチャードとアンは目を輝かせて顔を見合わせた。


(´・д・`)「あ、ほんとだ~!こんなとこにおっきいほらあながあったんだぁ」

ミ*゚∀゚彡「ここなら雨もふりこまないからひみつきちつくれるんじゃないかな?」

*(‘‘)*「そうね、いいかんじだとおもうわ。じゃあおうちからタペストリーとかじゅうたんもってくるー!」


三人が帰ってきたのは日もとっぷり暮れたあと、しかも服をすっかり汚してしまっていたが優しいウォリック伯妃はにこやかに出迎えた。


ミ*゚∀゚彡*(‘‘)*(´・д・`)「ただいまー!」

ミ*゚ー゚彡「おかえり。みんな泥だらけねぇ、どこで遊んできたの?」

ミ*゚∀゚彡*(‘‘)*(´・д・`)「ひみつ!」

ミ*^ー^彡「あらあら…」

ミ*゚∀゚彡*(‘‘)*(´・д・`)「♪♪♪」


そして三人はそれぞれ秘密基地の材料探しを始めたのだった。


~アン・ネヴィルの自室~

*(‘‘)*「ねぇねぇ、いらないタペストリーとかじゅうたんってのこってる?」

(^ω^ )「今度雑巾にしようと思ってるのがいくつかございますお」

*(‘‘)*「ちょうだい!」

(^ω^ )「どうぞどうぞ、そこの棚の上にあります。いくらでもお持ち下さいお」


~厨房~

ミ*゚∀゚彡「ねぇ、ほしにくとかサラミとかチーズとか持ってっていい?」

(^ω^厨)「おや、ラヴェルさんちのフランシスくん。持っててもいいけど何に使うのかお?」

ミ*゚∀゚彡「んーとね、ひじょうしょく!」

(^ω^厨)「なるほど。なら今日使ったぶんで余ってるのがあるお」


~薪置場~

(´・д・`)「んーと、土砂崩れとかあるかもしんないし柱になるものがいるよね…」

( ^ω^)「おや、王弟殿下!いったいどうしてこんなところにおいでに?」

(´・д・`)「丈夫な木材ってあるかな」

( ^ω^)「んーと、それならこちらをどうぞ。でも運べますかお?」

(´・д・`;)「あっ…」


頑丈な丸太はどう見ても子供が運べる代物ではなく、大人の手を借りないことには1ミリも動かせないだろうと思われた。


( ^ω^)「じゃあわたしが代わりにお運びしますお」

(´・д・`)「だ、ダメだよぅ!他の人に知られちゃいけないんだ」

( ^ω^)「ん、秘密ですかお。でも王弟殿下がこれを運ぶのは難しいと思いますお?」

(´・д・`)「どうしよう……あ、そうだっ」

(´・д・`)「運んでほしいけど、目隠しして!案内は僕がするから」

( ^ω^)「んー、わかりましたお」

( =ω=)「王弟殿下、これでいいですかお」

v(´・д・`)「この指何本?」

( =ω=)「見えませんお~」

(´・д・`)「よし、オッケー!じゃあ案内するね」


こうしてリチャードの機転により、道を知られることなく丸太が洞穴に運び込まれた。


(´・д・`)つ「見て、柱になりそうな丈夫な木材持ってきてもらったよ!」

*(‘‘)*「わー、おっきいまるた~」

ミ*゚∀゚彡「ぼくもひじょうしょく持ってきたよ!」

(´・д・`)「わぁ!これで籠城戦も大丈夫だねっ」

*(‘‘)*「はい、じゅうたんとタペストリー!」

ミ*゚∀゚彡「まず柱をたてないと…だからそのじゅうたんとかはまずおいといて」

(´・д・`)「柱、どうやって設置しようか」

ミ*゚∀゚彡「そもそもぼくたちふたりで柱をたてられるかどうか問題だよね!」 

(´・д・`)「んー…」 


リチャードが何かを思いついたように外に飛び出してから数十分後、目隠しをした召使いたちが洞穴に入ってきた。


メカクシサセラレタオ( =ω=)=ω=)=ω=)ココドコダオ?

ヽ(´・Д・`)「みんな、目隠し外していいよ!」

( ^ω^)「お!この木材を使って洞穴が崩れないようにするということでよかったですおね?」 

(´・Д・`)「うん!終わったら僕に教えて。帰りも目隠しつけてね。道は僕が案内するから」


こうして柱を取りつける作業も無事に終わり、リチャードは召使いたちを先導するために洞穴を後にした。


ミ*゚∀゚彡「わぁーい、柱ができてカッコよくなったね!」

*(‘‘)*「ねぇフランシーくん、リッチーくんがあっちにいってるあいだに、じゅうたんをひこうよ」 

ミ*゚∀゚彡「うん!じゃあタペストリーをかけるのてつだうね」

*(‘‘)*「ありがと!」


数十分ほどして召使いたちを送っていったリチャードが再び洞穴に戻ってきた。


(´・д・`)「ただいま!」

*(‘‘)*ミ*゚∀゚彡「おかえりー!」

(´・д・`)「わ、絨毯もひいてあるしタペストリーもかかってる。お城のお部屋みたいになったねぇ」

ミ*゚∀゚彡「えへへ、ぼくがんばったよ!」

*(*‘‘)*「わたしもがんばってじゅうたんひいたよ!」


だいぶ立派になったミドゥラム城近郊の秘密基地で、アンとリチャードとフランシスは毎日のように通いつめて楽しく遊んでいた。


*(‘‘)*「きょうはしたまちのおかみさんごっこするわよ!」

ミ*゚∀゚彡「わぁ、全然わくわくしないや」

(´・д・`)「十字軍ごっこしようよ、僕がリチャード1世やるの」

ミ*゚∀゚彡「えぇ、リッチーくんずるいよ~。ぼくだってライオンハートでヒーローしたいのに」

*(‘‘)*「じゅうじぐんごっこじゃわたしがなんにもできないじゃないの!おかみさんごっこがいい!」

(´・д・`)「…てことはアンヌさんがおかみさん?」

*(‘‘)*σ「ん。リッチーくんはだんなさんね」

(*´・д・`*)(だんなさん…てことはアンヌさんとv)


リチャードは期待に胸をふくらませ、ほんのりと頬を赤く染めている。だがその期待は無残に裏切られることになる…


ミ*゚∀゚彡「ぼくは?」

*(‘‘)*「フランシーくんはわんちゃん!」

ミ ゚∀゚彡


フランシスは表情を一瞬固まらせてアン・ネヴィルを見つめ返した。


*(‘‘)*「どろぼうがきてもだいじょうぶなようにグレーハウンドよ!」

ミ ゚A゚彡「…犬?ぼく犬なの?」

*(‘‘)*「なによ、なんかもんくでもあるの?フランシーくんのおうちのもんしょうはわんちゃんじゃない」 

ミ ゚A゚彡「えぇと。せめて人間らしく…」


フランシスの願いは聞き届けられず、彼は犬(グレーハウンド)役に甘んじることとなった。


*(#‘‘)*っ「もー、このごくつぶしのやどろくったらいつまでそとをほっつきあるいてんだい!
       またふろやでおんなをひっかけてきたのね!」

<´;д;`)「ひぃい!やめてくれよおまえ、違うんだよ!
       仕事が終わった後でたまたま昔の友達に会って、パブで呑んできただけなんだ!」

ミ*゚∀゚彡つε=3「わう」


フランシスは夕食で残ったスペアリブの骨をくわえて堂に入った犬役を演じている。


ミ*゚ε=3゚彡(思った以上にせちがらいごっこ遊びだなぁ…)

*(#‘‘)*「ほれ、フランシーや!このくずおとこにかみついておやり!」

ミ;゚∀゚彡「えっ」

*(#‘‘)*ノシ「フランシーくんはわんちゃんなんだから『わん』っていうの!」


アン・ネヴィルにケツをひっぱたかれたフランシスは犬の鳴き声をまねてリチャードに吠えかかった!
 

ミ;゚∀゚彡「わ、わんっ!」

Σ(´;д;`ノ)ノ

ミ;゚∀゚彡「わう!わおお~ん!」

(#);Д;`)(アンヌさんとラブラブだと思ったのにぃ~)

*(‘‘)*「あんたみたいにうちにかえってきてもおさけしかのまないくずおとこはこうしてやる!」

*(#‘‘)*ノシ三【|樽|】#)Д;)。;:;゚

ミ*゚∀゚彡(アンちゃん、いったいどこであんな言葉覚えたのかな)


~ちょっと前、女中たちの部屋にて~

( ^ω^)「全くもう、うちの旦那ったら稼ぎは少ないし呑んだくれだしでいいとこないのよねぇ」 

(´ω` )「うちなんてしょっちゅう友達連れて来てはどんちゃん騒ぎよ。ほんと困っちゃうわ」

|‘)* フムフム… 


アン・ネヴィルに空き樽を投げつけられて、淡い期待を打ち砕かれ傷だらけになったリチャードはとうとう両目から涙をあふれさせて泣き叫んだ。


(##)Д;`)「うわぁぁあん!こんな夢もへったくれもない殺伐としたごっこ遊び嫌だよぅ!」

*(‘‘)*「じゃあおうさまとおうひさまごっこでもする?」

ミ*゚∀゚彡「ktkr!」

*(‘‘)*「リッチーくん、ヘンリー6せいやって。わたしはマーガレットおうひやるから」

(#);Д;`)「そんな王様と王妃様はいやぁああ!」


騎士見習いの少年としては、勇猛果敢な騎士の鑑というべき王様役を演じてみたいものである。
リチャードもフランシスも不満げな表情を浮かべてアンを見やった。


ミ;゚∀゚彡「そういう嫌に現実的なのはやめようよー。ほら、もっとカッコいい王様とかいくらでもいるじゃ~ん」

*(‘‘)*「ならリッチーくん、リチャード2せいやりなさいよ。おんなじなまえじゃない」

(´・д・Ξ・д・`)フルフル

(`∀´ )『ケッ、お前みたいなヘタレこっちから願い下げやっちゅーねん』

(((;´・д・`))(あれ、なんか寒気が…?)

ミ*゚∀゚彡「やっぱさー、リチャード1世かエドワード3世だよねぇ」

(´・д・`)「うん!騎士の花だしカッコよさそうだもんね。フランスのヘタレ騎士をフルボッコにしたヘンリー5世とかねぇ!」

*(‘‘)*「ミーハーなんだから」

ミ*゚∀゚彡「そう言うアンちゃんはなにかやってみたいお姫様役とかないの?」

*(‘‘)*「トロイのイレーヌ、ブーディカじょおう、グニエーヴルおうひとか、イズーとかねー。アリエノール・ダキテーヌもおもしろそうね」

ミ;゚∀゚彡(;´・д・`)(傾国!)


「お姫様役」と言われて傾国の美女や猛女の名を挙げたアン・ネヴィルはのちにふたつに引き裂かれたイングランド王家のランカスター家、
ヨーク家の間で父リチャード・ネヴィルの采配により奇妙な運命を辿ることとなる。




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