ミドゥラム城内の北寄りに位置する狩猟場で兎狩りを楽しんだリチャードとフランシスは、木陰で本を読んでいるアンを迎えに行くことにした。
勿論あの秘密基地で3人だけの会合(笑)を開くためである。
*(、、)*「ごがが…ぐが…ふごっ」
アン・ネヴィルは淑女にあるまじき大いびきを掻きながら眠りこけていた。
しかも寝相が悪いようで、木の根元に置いてある本から軽く10メートルは離れたところで大の字になりあおむけて熟睡。
しわくちゃになった薄手のブランケットがアンの4メートル手前に打ち捨ててあった。
ミ ゚д゚ 彡
(´゚д゚`)
一体どういう寝方をしたらこんなことになるのだろうか。リチャードとフランシスはいぶかしげな顔をしつつアンを起こそうとした。
(;´・д・`)ノ「アンヌさん、兎狩りの時間は終わったから秘密基地に行こう…よ!?」
*(、、)*「ふがごごご…」
アンは半開きになった口元から耳の後ろまでヨダレを流し、薄く目を開けたまま眠っていたのである。
ミ;゚д゚彡「リッチーくん、アンちゃんの寝顔こゎぃ…」
(;´゚д゚`)「うん…普段はあんなに可愛いのにね…とりあえず素数を数えて落ち着こうか」
*(、、)*「ぷぷー…ぷぴぃ、ぷぷ」
ちょうどその時アンの鼻から鼻ちょうちんが膨らみ、ぱんとはじけた。
ミ;゚*゚彡,;:゚:; ブフォオッ!
(;´゚*゚`)。;:; ブフーッ!
*(、、)*「ぷー…ぷごぉ…」
とうとうリチャードとフランシスは我慢しきれず、2人して大笑いしだした。
ミ*^∀^彡「きゃはは!はっ、鼻ちょうちん!今の見た?ぽんっていってはじけたの!」
(´^Д^`)「ぶははは!!鼻ちょうちんとかリアルで見たの初めてだよ!あっははは!!」
笑い声に気付いたアンはやっとのことで目をこすりながらリチャードの方を見上げた。
*(、⊂)*「ふご…うぅん?リッチー…くん…と…フランシー…く…?」
(´^艸^`)「あ、やっと起きたねアンヌさん…ぶふふっ」
ミ*^∀^彡つ◇「もー、ウォリックの姫君が鼻水たらしながら寝ちゃだめでしょ~」
Σ*(。⊂)*
アンはあわてて跳ね起き、自分の周りに散らばっているブランケットや本をかき集めて膝の上に載せた。
*(#`´)*「は、はなみずなんてたらしてないもん!わたしちゃんといいこでねてたんだから!」
(´^艸^`)「そうだね、鼻ちょうちんふくらませていびき掻いて大人しく…くすくす」
*(*゙゚' ゚')*
両頬をみるみるうちに朱に染まらせ、耳まで赤くなったアンは無言でリチャードとフランシスを睨みつけた。
ミ;゚Д゚彡(;´・艸・`)「………………」
*(#゙゚' ゚')*9「 こ の や ろ う … 」
メメタァ!
(###)(##)「ごめんなさい…いや、狩りが終わったので呼びに来ただけでございます」
ミ##)(##彡「上に同じでございまふ」
*(#`´)*「で、わたしをおこすほどのようじってなんなのよ!」
(###)Д(#)ノシ「や、秘密基地に行こうよって」
ミ##)(##彡「うん」
アンを先に秘密基地に行かせ、リチャードとフランシスは腫れあがった顔を水で冷やしてから行くことになった。
そんなこんなで秘密基地で落ちあった3人は、城から持ち出した古い円卓を囲んで話を始めた。
ミ*゚∀゚彡「ね、そういえばさぁ。リッチーくんてバーガンディに行ってたんだって?」
*(‘‘)*「そうそう、ぶるごーにゅのなまりがぬけないっていってたね。ぶるごーにゅになにしにいってたのー?」
(´・д・`)「えっと、去年にねぇ、パパとネディ兄ちゃんがランカスター軍の人たちに殺されたの」
ミ;゚∀゚彡*(;‘‘)*( い き な り お も た い …)
明らかに緊張した面持ちになった2人に、リチャードはおずおずと顔を上げて不安げな眼差しを投げかけた。
(´・д・`;)「…ごめん、こんなお話から始めちゃって。やめた方がいいかな」
*(;‘‘)*「う、ううん!おじいちゃまとトマスおじさんもリッチーくんのパパとおにいちゃんといっしょに
ウェイクフィールドでけがをしてしんじゃったんだって、うちのパパがいってた!だからおはなししていいのよ」
ミ;゚∀゚彡「そうだよ、ぼくのパパもリッチーくんのとこみたいに戦ってじゃないけど、去年病気で死んじゃったんだ」
(´・д・`)「…そっかぁ!アンヌさんとこもだったんだっけ。フランシーくんもパパを…」
ミ*゚∀゚彡*(‘‘)*「うん。だからきにしないでおはなしをつづけて、リッチーくん!」
リチャードは目をうるませて2人を見た。
(´;д;`)「あ、ありがとう2人とも…今まで話せる人が誰もいなくて淋しかったんだ。
エディ兄ちゃんはその話をすると怒ったような顔して僕から目をそらすし、ママはずぅっと泣いてて
ロンドンでもみんな気を使って話そうとしなかったの」
*(‘‘)*「そっかぁ。リッチーくん、そういうことならわたしたちがきいたげる!」
ミ*゚∀゚彡「ぼく、ウェイクフィールドのことは噂話くらいでしか知らないんだ。リッチーくんの話が聞きたいよ」
(´・ー・`)「…ありがと!」
リチャードは手の甲で涙をぬぐうと再び口を開いて話をはじめた。
(´‐д‐`)「それでイングランドにいたら危ないから逃げなさいってママに言われてね、ジョージ兄ちゃんと
一緒に船に乗ってブルゴーニュまで行ったんだ。海賊に襲われたらどうしようって怖かったぁ…」
ミ*゚∀゚彡「…ね、バーガンディってどんなところだったの?大都会って聞いてるけど」
ヽ(´・д・`*)ノ「すごいよ、最新流行のものばっかり集まってくるの!ブラバントの綺麗なタペストリーに
ブリュッセルのすっごい繊細なレース編みとか、アンヌさんもきっと見たらびっくりするよ。
フランシーくんにも見せてあげたいな、ブリュージュの市場なんてもう宝物がいっぱいあるみたいでね…」
*(‘‘)*「ぶるごーにゅのこうしゃくさまはどうだった?」
(´・д・`*)「ん、だいぶおじいちゃんだったけどすごく威厳があってりっぱな方だった。
まるで王様みたいなんだ。いつも黒い服を着ててそれがまたカッコいいんだよ」
ミ*゚∀゚彡「へぇ~!」
o(´・д・`*o)「あとね、シャロレの伯爵さまはすっごい強いの!
騎馬槍試合を見せていただいたんだけど並み居る騎士を馬から落っことして全勝だもん!」
ミo*゚∀゚彡o「シャロレの伯爵さまってシャルルさん?お父上のフィリップ公の若い頃そっくりって聞いてるよ」
(´・д・`*)「んー、そうかもね。確かによく似た親子だな~と思ったよ。…すぐ怒るとことか」
ミ;゚∀゚彡「ありゃ、親子そろって短気なんだ」
(´・д・`;)ゝ「…ここだけの話ね、シャロレの伯爵さまのほうが怒ると怖いよ。拳を固めてね、いまにも振り上げそうになるんだ。
『サンタンドレにかけて…』とか『サンジョルジュにかけて…』って口癖みたいに言ってさ。こっちが殴られるかと思ったよぅ」
フランシスはやや引きつった笑いを浮かべた。会ったこともないシャロレ伯シャルルを想像して怖くなったらしい。
ミ;゚∀゚彡「うひゃあ…おっかないねぇ」
(´・д・`)「怒りっぽい以外はシャロレの伯爵さまもりっぱな方だよ。
僕に剣のお稽古をつけてくださったんだ。手加減してくださったみたいなんだけど、それでも打ってくる一撃がすっごく重たくて!
あんな強い騎士になれたらな~…」
ミ*゚∀゚彡b「なれるよ!」
(´・д・`)「えぇ、でも一昨日だって先生から剣落っことされちゃったし」
ミ*゚∀゚彡「あきらめなきゃきっと強くなれるよ。ぼくもいっしょにがんばるから強くなろ」
*(‘‘)*「わたしもおうえんしてるわ、リッチーくん。いっしょにつよくなろうね」
(´・ー・`*)
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