(・ー・ )『ただいま~』
(´^Д^)『おかえり、ネディ。エディたちの調子はどうだね』
(・ー・ )『ミサ挙げてたからちょっと見てきたけど、「敵はきっと取るぞ!首も取り返してみせる!」って殺る気満々だったよ。
ネヴィルさんもすごい気が立ってたしね!』
ヨーク公リチャードはラトランド伯の話を聞いて嬉しそうに諸手をあげると、ぐっと拳を固めた。
(o´^Д^)o『そうかそうか!実に嬉しいな、戦いが始まったらエディが勝つよう応援しまくろう!』
(・ー・ )『うん!僕たちの首から上も早くお墓に入れてもらわないといけないし…』
(´^Д^)『うむ、今はまだ寒いからいいがこのまま春が来て暖かくなったら腐り落ちてしまうな…』
1461年初頭の時点で、前年末に戦死したヨーク公リチャードとラトランド伯エドマンドの首はヨーク城壁に高々と掲げられていたのである。
(´^Д^)『あとジョージとリッチーはどうしてる?セシールは大丈夫か?』
(・ー・ )『うん、ジョージとリッチーはブルゴーニュに避難したんだって』
(´^Д^)『あー…ブルゴーニュ公か、ちと不安だな』
(・ー・ )『んー、フランス王はマーガレット王妃の親戚だから頼れないでしょ?ブルターニュ公もあの戦いからこっちフランス寄りだし、
選択肢がブルゴーニュ公しかないんだって言ってたよ。それにカレーに近いブルゴーニュ公国との関わりを作っておけば、
カレー総督を兼任してるネヴィルさんにとっても大助かりなんじゃない?』
(´^Д^)そ『なるほど、ウォリックのリチャードくんのこともしっかり考えているとはさすがセシール』
(´ー` )『そういうこと。
ここ一番ってときに脛当と拍車忘れちゃったり敵軍と自軍取り違えちゃう父上とは大違いだよ』
(;´^Д^)『…返す言葉もない』
申し訳なさそうに俯いてしまったヨーク公にラトランド伯は話を続けた。
(・ー・;)『それでさ、母上のことなんだけど…』
(´^Д^)『うん、何かあったのか』
(・ー・;)『実はジョージとリッチーが城を離れてから、どうも母上は体調くずしがちになっちゃって』
(;´^Д^)そ『なに!』
(・ー・;)『あと前よりもふさぎがちになってるんだ、部屋からめったに出なくなって…
あっ、ミサにはちゃんと行ってるようなんだけどね、心ここにあらずっていうか…』
(;´^Д^)『うーむ。今度のミサのときにセシールの様子を見てこにゃならんな』
~それから数週間後~
(ノシ´^Д^)ノシ『いいぞ我が軍!がんばれがんばれヨ・ォ・ク!』
ヾ(・ー・ヾ)『フレー!フレー!ヨ・ォ・ク!!』
ヨーク公リチャードとラトランド伯エドマンドはセシール・ネヴィルの様子を伺いに此岸に来た後、はるばるタウトンまでやってきていた。
今はヨーク公として陣頭指揮を執る長男マーチ伯エドワードの応援をするためである。
壁| )『……』
3月末になるというのに辺り一面が雪に覆われ、雪混じりの突風が容赦なく吹き付けてくる。
しかし既に死んでいる二人はそんな悪天候もものともせず、顔を真っ赤にしてヨーク方の応援に徹していた。
(#´^Д^)σ『今だ、手薄な右翼に突っ込めっ!よしっ!よぉお~しっ!!』
∩(・ー・∩)『いけ~!ウェイクフィールドのお返しだあ!』
(づω゙兵)「…なんか向こうの方に普段着の人影が見えるお…!?」
(兵゙ω゙)「なに言ってるんだお、こんな日に普段着でうろついてる奴なんているはずないお?」
( ^∀^)つ「こら!無駄話をしてると体温が下がるぞ、とっとと戦う!」
(兵゙ω゙)ゝ兵゙ω゙)ゝ「「アイアイサー!」」
∩(・ー・∩)『エディ、がんばって!僕たちここで応援してるから絶対勝つんだよ!!』
(∩´^Д^)∩『エディー!姿が見えなくても声が届かなくても、わたしたちはいつもお前のそばにいることを忘れるなよ!!
わたしもネディも全力で応援しとるぞー!!!絶対勝つんだぞおー!』
強くなる風にますます降りこんでくる雪で視界が狭まり、遠くに小さく見えたヨーク公家の軍旗もぼんやりとしか見えなくなった。
気温が下がり続ける中でヨーク公エドワードは軍配を高く掲げて兵士たちに聞こえるよう大声で叫んだ。
( ^∀^)∩「ここまでついてきてくれた皆!今日はこのとおり天気が悪い!!でもそれが何だっ!
こんな吹雪などヨーク公家の軍旗に縫い取られた太陽で溶かしてしまおうじゃないか!」
( つДT)・。『エディ…ちょっと見ないうちに立派になって…』
ヨーク公エドワードの演説を黙って聞いていた父リチャードは眉間のあたりを押さえて涙ぐんでいる。
ヾ(・ー・ヾ)『皆ふんばれ!絶対に勝ってロンドンに凱旋だーっ!フレー!フレー!ヨ・ォ・ク!!!』
壁| )ノシ『フレッ!フレッ!ランカスター!ファイッ!オーッ!!』
Σ(・ー・;)『!!?』
突然どこからか風に乗って聞こえてきたランカスター方の応援と思しきしゃがれ声に、ラトランド伯とヨーク公リチャードの表情が凍りついた。
(#´^Д^)そ『誰だ!ヨーク公リチャードの近くでランカスター方を応援するとは不届き千万!』
壁|@へ@)ノシ『我が軍を応援して何が悪い、逆賊め!』
Σ(・ー・ )『ジョン・クリフォード卿!?』
なんと雪で埋もれた廃屋の壁から出てきたのはウェイクフィールドで遭遇したクリフォード男爵ジョンだった!
ヨーク公リチャードは素早くダガーを引き抜いてクリフォード男爵ジョンにその切っ先を向けた。
(#´^Д^)つ=||ニニフ『逆賊とは失礼な!お前うちのネディを捕らえて殺しおったそうだな、覚悟しろ!』
(∩@へ@)∩『待て待て。死んだ者に剣の切っ先を突きつけるのが逆賊どものならいなのか?』
(#´^Д^)つ=||ニニブ『逆賊じゃないと言ってるだろ。つつくぞ?』
(∩@へ@)∩『逆賊呼ばわりされたくなければもう少し紳士的に振る舞ってほしいものだな。
それがしは大人しく手を挙げているんだぞ。無抵抗の者を殺すなど騎士らしくもない』
(・ー・ )『…あなたがそれを言いますか?』
(∩@へ@)∩『それはそれ、これはこれだ。状況に応じて適当に、とな』
クリフォード男爵はホールドアップのポーズをとったままつかつかとラトランド伯に歩み寄ってきた。
,_
(・ー・ )『と言われてもなんだかなぁ』
( @へ@)『ラトランド伯もあの時大人しく投降したではないか?
それがしは礼儀に則り投降した捕虜を(多少の私怨も含んで)処刑したまで』
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(・ー・ )『カッコ内が聞き捨てならないな…僕みたいに前途ある若者をさっくり殺すとか心痛まないわけ?』
( @へ@)『戦場ではよくあることだ!負けた方が悪い…貴方も、もちろんそれがしも、だな』
,_
(・ー・ )『う~ん、確かにそうだ。まったく、正論で返されるとは思わなかったよ』
ラトランド伯はやや表情を緩めて堅苦しい笑顔でクリフォード男爵に向かって話を続けた。
(・ー・ )『てかクリフォード卿、あなたがここに来ちゃってるってことは今参戦しているランカスター方は
ぶっちゃけ戦闘経験のある将軍がかなり少なくなっているのでは?』
(;@へ@)『いやいや、それがしが戦死したくらいで崩れるようなランカスター軍ではない。
まぁ少しずつヨーク方に圧されているのは否めないが…勝負は最後の一秒までわからないもn』
(*´^Д^)『ネディ、こっち来て見てみろ!我が軍の完封勝利だぞ!!』
( @へ@ )『』
(・ー・*)『ホントだ!ランカスター軍が落ち延びてるじゃんっ』
(#@へ@)9『落ち延びてなどない!あえての撤退だ!』
m9(´^Д^)9m『死んでるくせにwフェリブリッジで喉当忘れて死んでるくせにwwwwwww
クリフォード卿負け惜しみ必死だなプギャーwww』
(((#@へ@))ムカッ
猛吹雪の中行われたタウトンの戦いはヨーク軍の完勝に終わり、マーチ伯エドワードはエドワード4世として戴冠することになったのだった。
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